バイオジェン、第三回「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」
98句の中から、特選4作品・秀逸6作品・佳作20作品を多発性硬化症サポートナビにて公開

      バイオジェン・ジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:傳 幸諭、以下バイオジェン・ジャパン)は、多発性硬化症(以下、MS)の当事者の方、ご家族・ご友人、MSに関わる医療関係者の皆様を対象にMSとの多様な向き合い方を俳句で詠む「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」を、実施いたしました。
      昨年に引き続き、三回目の開催となった本コンテストは、MSの当事者の方をはじめ多くの方にご応募いただき、応募数は98句となりました。それらの中から、第一回選者である夏井いつき先生とのYouTubeも話題の、俳人 家藤正人先生より審査いただき、この度、特選4作品・秀逸6作品・佳作20作品を、当社が運営するWEBサイト「多発性硬化症サポートナビ」にて公開いたします(7月9日(火)17:00予定)。

      指定難病の1つに認定されているMSですが、症状や程度は人によって異なることからご自身の病気や人生と向き合う姿勢や考え方、悩みもまた人それぞれです。そんな多様な向き合い方を「俳句」で表現することで、ご自身が抱く想いに改めて気づくきっかけとなり、またほかの方が詠む句の背景にある想いに触れることが、新たな気づきや共感、連携につながると考え、MSに関わる方を対象に本コンテストを実施いたしました。

      6月30日(日)には受賞作品を発表するオンラインイベントを開催いたしました。当日は、家藤先生による講評、さらに、新潟大学 医歯学総合病院・脳研究所 脳神経内科 (医学教育センター) 准教授 河内泉先生や、テレビ番組の俳句コーナーでも活躍中の東国原英夫さんに出演いただき、作品が生まれた背景となるMSにまつわるエピソードに触れながら、疾患に関する理解を深めるトークセッションを行いました。
      イベント当日の録画映像は当社が運営する疾患啓発ウェブサイトである「多発性硬化症サポートナビ」およびYouTubeチャンネルにて公開いたします。

 

      家藤正人先生からは、98句全体を通して以下の選評を頂きました。
「昨年に続き、二度目の審査を担当させていただきました。症状や徴候のこと、日頃の苦労の数々、再発の恐怖や、それを和らげる治療について。知識として知った内容が、生きた言葉と俳句の形で、自分の内に吸収されていくのは僕にとっても嬉しいことです。
      実は、もうひとつ嬉しい出来事がありました。去る6月9日土曜日、僕は兵庫県明石市にて母・夏井いつきと共に夏井いつきの句会ライブIN明石の壇上にいました。終演後、一人のご婦人が声をかけてくださいました。なんとその方はMS当事者であり、本コンテストの受賞者でもありました。多発性硬化症と歩む人生、その杖として俳句を手に入れ、目の前で笑顔を見せて下さる方がいらっしゃる事実に震えました。MSと付き合う人の心は時に、驚くほど前向きに他者を惹きつけます。俳句があなた自身の魅力を伝えるための手段のひとつになってくれたら、と、希望と共に祈っております。」

      バイオジェン・ジャパンは、本コンテストを通じてMS当事者とその周囲の方々が、よりお互いの理解を深め、MSを中心とした大きな輪が生まれていくことを願っています。

 

【特選】
■ご本人による作品

作品 着膨れの街はきらめくイヤーカフ
詠み手 松野加奈子
作品の背景及び
受賞者コメント
特選のご連絡を頂きありがとうございます、とても嬉しいです。
ウートフ徴候があり暑い夏は苦手です。寒い季節が好きなのでダウンコートを着て街に行き綺麗なイルミネーションを詠んだ句です。
手指が痺れピアスは無理なのでイヤーカフを付けたりします。ペンダントの金具を付けるのも難しいのでロングネックレスやアクセサリーを付けたりします。
出来る事をしながら、いつまでもお洒落を楽しみたいです。
家藤先生 選評 「着膨れ」は冬の季語。道行く人みな、冬物に着膨れています。周囲の街のきらめきは寒夜の灯でしょうか。きらびやかなクリスマスモードでしょうか。そのきらめきを形作る一人として、作者の耳にはイヤーカフが光っています。震えやこわばり、おぼつかない手先でも身につけやすいアクセで自身を彩る姿が、女性としての明るい矜持を感じさせます。

 

作品 叱咤して動かす四肢よ子規忌の日
詠み手 俳号 はなゑ
作品の背景及び
受賞者コメント
この度は「私の多発性硬化症俳句コンテスト」の特選のお知らせを頂きましてありがとうございます。とてもうれしいです。
以前、毎日出社していた時、帰宅の時には疲れてふらふらになって歩いていました。最寄りの駅から自宅までは10分ほどの距離ですが、「がんばれ!あともう少し!家がもう見えてるよ!」など自分で自分を励ましながら足を動かしていたことを思い出してこの句を作りました。正岡子規について書かれた本を読んでいましたら、子規は歩けなくなった晩年にも人力車で外出していた、というのを読み、子規の忌日の季語を取り合わせたいと思いました。
第一回目の俳句コンテストでも特選をいただき、俳句を始めました。昨年は秀逸をいただき、それから夏井先生のおウチde俳句くらぶに毎月応募しています。俳句が新たな趣味のひとつとなり、俳句のタネを探して毎日を過ごすのが楽しいです。この企画で俳句という新たな楽しみを知れたことにとても感謝しています。ありがとうございます。
家藤先生 選評 近代俳句の基礎を築いた偉人・正岡子規の命日である九月十九日を「子規忌」と呼びます。子規の死因は脊椎カリエスという結核菌が要因となる治療の難しい病。晩年は身体を動かすことはほぼ不可能でした。その子規の姿と、作者の「四肢よ」と自らの手足に励まし呼びかける姿とが重なります。残暑厳しい九月の「日」を生きる作者自身の姿がここにあります。

 

■ご家族・ご友人・医療関係者による作品

作品 訪リハのパタカラ軽し蝌蚪育つ
詠み手 俳号 丹波らる(医療関係者)
作品の背景及び
受賞者コメント
この度は特選に選んで頂きまして誠にありがとうございます。訪問リハビリテーションに従事する者として毎年患者様のことを思い第1回目から投句させていただいています。
作品は訪問リハビリテーション中に、利用者様と口腔練習をした際に作成したものです。「パタカラ」とは「パ」と「タ」と「カ」と「ラ」を連続で発語することで会話や食事に関する口周りや舌の筋肉を鍛えることを意図しています。最初はうまく発語できなかったり、息が続かないですが、毎日こつこつ練習することで聞き取りやすい発語ができるなどの喜びにつながります。その成長過程をすくすく育つおたまじゃくしの成長に託して詠ませていただきました。
リハビリテーションを通じてすべてがうまくいくとは限りませんが、ひとつでも患者様の希望になればと思い、今後もよりよいリハビリテーションメニュー作りや俳句作りに精進したいと思います。本当にありがとうございました。
家藤先生 選評 訪問リハビリで行われる発語練習。「パタカラ」の四音を繰り返し発音して口や舌の筋肉を鍛えます。「蝌蚪」とはおたまじゃくしのこと。パタカラ、パタカラ、と軽やかに唱えたり、時々詰まったり。地道なリハビリの時間をすごすうちにも、田や水辺には蝌蚪が次々と生まれ、育っていきます。まるで唇から発された音が命を得て動き出したような姿で。

 

作品 ひまわりや足指で押す伝の心
詠み手 俳号 藤井いちはつ (医療関係者)
作品の背景及び
受賞者コメント
人生で初めて投句しました。
今まで俳句とは縁が遠かった私ですが、6月9日の明石の句会ライブに思い切って参加しようとしていた矢先、突然入選のメールが来て、驚き、たまげてしまいました。
もう10年以上前のことです。私は、薬剤師として、重度の多発性硬化症の患者さん宅に薬を届けていました。夏でも首まで布団をかぶって寝ていて、ちょうど家の人が留守だった時、足指でボタンを押して、伝の心という機械でお話ししてくれたことを、今でもよく覚えています。モニター画面に文字盤があって、それをみながら文字を選ぶのですが、一文字を打つのにも15〜20秒かかるのに、頑張って入力してくれて、涙が出ました。お庭には、ひまわりが咲いていました。
これからも、俳句に挑んでいく勇気が出ました。ありがとうございます。
家藤先生 選評 季語と、一見関係ない言葉とをぶつけ詩の火花を生む技を取り合わせと呼びます。「ひまわり」と、足指で文字を打つ機械「伝の心」には直接の関係はありませんが、言葉同士が出会うと、様々なイメージが連鎖していきます。大輪のひまわりが咲く夏の盛り。開いた足指を湿らせる汗。意思が文字になっていく、訪問先での時間の重みに強いリアリティがあります。

 

【秀逸】
■ご本人による作品

作品 花見来て同時に芽吹くレルミット
詠み手 俳号 まう
作品の背景及び
受賞者コメント
このたびは秀逸に選んで頂き大変嬉しく思います。ありがとうございます。MSになってもうすぐ4年になります。
今年の4月に花見に行った際、その日の気温が前日と比べて高かったためか、頚椎にある病変の影響で起きるレルミット徴候が久しぶりに強く症状が出た事を表現しました。
私の場合寒い時期は落ち着いていますが、このように夏に向かって気温が暖かくなってくると首を動かした際に首から足元にかけて一瞬ビリビリと症状が出るので、まさに花の芽吹きの頃に出現するなと思いました。
家藤先生 選評 桜も盛りを迎える晩春、気温は日に日に高くなっていきます。お花見に行こうと陽射しのなかを歩けば汗ばむほどの陽気です。賑わう桜が見えてくる頃、痛みやしびれとなって表れるレルミット徴候。桜の薄桃色を癒しと読むか、酷薄な色と読むか。作者の心理を慮ります。

 

作品 「春の海」弾けてた琴の鮮やかさ
詠み手 俳号 凌花
作品の背景及び
受賞者コメント
この度、「秀逸」という賞をいただいて大変嬉しく思っています。有難うございます。
また、この企画をしていただいたバイオジェン・ジャパン株式会社様、関係者の皆様、選考してくださった家藤先生に心から感謝しております。
この作品の背景は、小学校の友達の叔母さんがお琴の先生だったことから、母がお琴が好きだったので、引っ込み思案だった私に習わせてくれました。
その頃の私はMSではなかったので、上達が早く小学6年生で宮城道雄作曲の「春の海」が弾けたのです。嬉しかったです。今回はあの大好きな美しい旋律の「春の海」と、季語の「春の海」をかけてみました。
古びたお琴のことをお店に相談したら、持ち帰って見違えるような美しいお琴になって戻ってきました。今は鮮やかな着物のような衣を纏って2階で眠っています。
私は手や指に力が無くて今は弾けないけれど、美しく生まれ変わったお琴を見て心が浮き立つように嬉しくなりました。
今回はこのような作品を発表する機会を与えてくださり、感謝に堪えません。また過大なる評価をいただいて本当に有難うございました。
家藤先生 選評 掲句の「春の海」は宮城道雄作曲の箏曲であり、海そのものを指す季語「春の海」とは異なります。なのに、心にひっかかる。手指が記憶する弦の弾ける感覚、弾けなくとも美しく手入れされた琴。大切なものへの愛着が、春の海のように作者の心に煌めいているからです。

 

作品 蛞蝓を よけているのに クラクション
詠み手 俳号 ポリエステル85%
作品の背景及び
受賞者コメント
本コンテストに初めて応募してこのような賞をいただき、とてもうれしく思います。
MSは外観からなかなかわかってもらえない病気なので、小さな生き物へのせっかくの気持ちをクラクションにかき消された無念さを詠みました。時々車椅子を使うことがあるのですが、その際はヘルプマークを付けている方も含めて多くの方が助けてくださるのに、と思うと残念な気になります。私自身も診断されるまで時間がかかり、その間に進行してしまった経験から、目や足の違和感から受診した方が、早くMSの診断につながることを願っています。
家藤先生 選評 MS当事者ならではの視点が新鮮です。雨の多い頃、多く見かける蛞蝓。うっかり踏むと杖が滑って転んでしまうんだそうです。命の危険に繋がりかねません。そっとよけたら、途端に鳴らされるクラクション。憤懣やるかたない心と「蛞蝓」が不快にも似合う皮肉。

 

■ご家族・ご友人・医療関係者による作品

作品 ぼろぼろの あいうえお表 梅雨曇
詠み手 俳号 夏風かをる (家族・友人)
作品の背景及び
受賞者コメント
この度は秀逸に選出いただきありがとうございます。
少しずつ動けなくなって喋れなくなって母音しか発声できなくなった祖母とコミュニケーションをとるために、あいうえお表を使おうと言ったのは母でした。頭文字だけでもわかればとのことでした。コロナでなかなか会えず最後まで使うことはなかったのですが、母の車にはまだその表が残っていて、それを見ると祖母のことを思い出します。
家藤先生 選評 「ぼろぼろのあいうえお表」はリハビリに使うものでしょうか。「梅雨曇」の天が落とす頼りない光量の下、痛み具合が切なさを増します。言葉で映像を描写する力、その映像へちょっとだけ感情の機微を加えるさじ加減、どちらをとっても確かな技術の持ち主です。

 

作品 秋の夕 書き置きに泣く また入院
詠み手 俳号 如月 (家族・友人)
作品の背景及び
受賞者コメント
この度は秀逸に選んでいただきまして、誠にありがとうございます。
私が5歳になる頃、母は多発性硬化症の診断を受けました。
末っ子で甘えんぼうの私は、父や祖父母、年の離れた兄達に支えられて育ちました。
自転車に乗って母の見舞いに行ける兄達が羨ましくて仕方ありませんでした。
長期入院を終えてからも母は入退院を繰り返していました。
母が定期通院の日は、「検査結果が悪く、お母さんが家にいなかったらどうしよう」と不安になりながら早足で帰ったものでした。
母が入院したときに、様々な病と闘う子どもたちに出会ったのが、現在の職である特別支援学校教諭を目指すきっかけでした。
目の前のおばあちゃんがかつて病床に伏せていたことなど知らない5歳の我が子が母に甘える現在です。
パワフルで笑顔が絶えない母に尊敬の念を抱いています。
多発性硬化症の当事者の方、御家族、関係する皆様の御多幸をお祈りしています。
家藤先生 選評 小さな詩の器に注がれた哀しみの色の濃さに胸を打たれます。個人的にはかつての記憶だと読みました。ただでさえ寂しい秋の夕暮れ。書き置きは「また入院」と告げ、不安と孤独に取り残される子どもの心はいかばかりか。字余はぐちゃぐちゃな感情の表れでもあり。

 

作品 ソーダ水カラン ブログは小休止
詠み手 俳号 くぅ(家族・友人)
作品の背景及び
受賞者コメント
この度は、受賞のご連絡ありがとうございます。大変嬉しく思っております。
拙句は友人を詠んだ句です。彼女は闘病生活をブログに綴っていました。ブログは病と闘う力になっていたようです。しかし、病状の悪化があったり、ソーダ水を味わう一時にささやかな幸せがあったりして、無理に自分を奮い立たせなくてもいいのではとブログを休む決心をしました。またいつか始めるかもしれないブログは今も小休止のままですが、穏やかな日々であれば、と思っています。
家藤先生 選評 情報発信の身近な手段である「ブログ」。闘病生活をブログに綴る人もいれば、その記事を読み励まされる人もいるでしょう。「ソーダ水」は清涼感と同時に、痺れる刺激も連想させる季語です。疲れた目と手を休ませるひとときの小休止。「カラン」の音も軽やかな一句。

 

■佳作

作品 詠み手
チャペル前吾子の花束(ブーケ)は吾の膝に 俳号 藤村一寿 [当事者]
春の風両目に届く空の青 俳号  林理 [当事者]
初めての子なしお泊まりパルス旅 俳号 ぱんちゃん [当事者]
杖歩行いつもより増す春風か 俳号 はくたく [当事者]
体温の火を響かせる赤の音 俳号 らいあん [当事者]
八重桜全然見えない私の目 志賀明子 [当事者]
去年今年薬シートに書く日付け 俳号 コミマル [当事者]
主治医自慢うなずく父と歩く春 俳号 一柳ナヲ [当事者]
薬壺抱き天の川見て祈る夜 俳号 勇姫 [当事者]
その日だけクタクタ燕ともの会 俳号 事務局長 [当事者]
難病に負けず口笛吹く五月 津田基晴 [医療関係者]
見えぬ痛みほほ笑みの裏夏の陽に 俳号 炭治郎 [医療関係者]
うさぴょんのまたの名夫花見酒 俳号 M.N [医療関係者]
障碍といふ名の個性花衣 俳号 樽谷幸龍 [家族・友人]
愛娘見守り九年落花かな 俳号 ヘンリエッタ[家族・友人]
病名のついた嬉しさ春の雲 俳号 でんでん琴女 [家族・友人]
「異常なし」夫と万緑の駐車場 俳号 阿山きし [家族・友人]
底の底より浮き上がるソーダ水 貴田雄介 [家族・友人]
木の芽どきかくし包丁感謝して 水戸部優子  [家族・友人]
寺町に疲れて眠る秋の蝉 俳号 近江菫花 [その他]

 

特選・秀逸を受賞された方には、夏井いつき先生・家藤正人先生のサイン入り著書を、佳作含む受賞者の皆様には、各作品を認めた色紙を記念品としてお送りいたします。

[審査員]
家藤正人先生:
1986年生まれ。愛媛県出身。大学卒業後、本格的に俳句に携わる。夏井いつきの句会ライブにてアシスタント経験をつむ。愛媛新聞カルチャー教室、学生を中心として県内外で単独句会ライブも行っている。2016年からは南海放送ラジオ「夏井いつきの一句一遊」にてアシスタントを務め、2019年より南海放送ラジオ「家藤正人の『一句一遊』虎の巻」ではパーソナリティを務める。そのほか、松山市公式俳句投稿サイト「俳句ポスト365」初心者欄選者。香川県宇多津町「令和相聞歌」企画参加および選者ほかさまざまな企画に携わる。句集『磁針』(夏井&カンパニー)

多発性硬化症について
MSは慢性進行性神経疾患であり、認知機能、心理社会的機能及び身体機能に影響を及ぼし、中枢神経系における炎症、ミエリン破壊、オリゴデンドロサイトの細胞死、軸索損傷およびその後の神経細胞の喪失を特徴とする自己免疫疾患です。MSの有病率は人種間および地域間で差があり、日本における推定有病率は欧米諸国の10%程度と報告されています1)。日本でのMS患者数は増加傾向にあり2)、罹患率は10万人当たり10.8~14.4人と報告されています3)

MSは、手足のしびれ、感覚機能や判断力の低下など患者さんによって症状が多様で診断が難しく、疾患としてもまだまだ理解が進んでいないのが現状です。2017年にバイオジェン・ジャパンが「全国多発性硬化症友の会」と共同で実施した調査4)によると、最初にMSと思われる症状が現れてから、確定診断されるまでに平均3.7年、3つの医療機関を受診しているということが示されました。また、一見しただけでは病気であるとわかりづらいため、周囲の理解が得られず、就労や日常生活で困難が強いられることもあります。

バイオジェン・ジャパンは、MSとともに生きる方々を中心とした疾患啓発活動を通じて、一人でも多くの方にMSという疾患について、また当事者の方々が抱えている課題を知っていただくことで配慮や支援につながり、MSになってもその人らしい生き方ができる社会づくりの一助となることを願っています。

バイオジェンについて
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。

投資家の皆さんにとって重要な情報についてはバイオジェンのウェブサイトwww.biogen.comに定期的に掲載しています。当社のSNS媒体FacebookLinkedIn, X, YouTubeもご覧ください。

バイオジェン・ジャパンは、米国バイオジェンの日本法人です。世界で有数の歴史のある独立系バイオテクノロジー企業の日本法人として、日本では2000年より事業を展開しています。日本の患者さんにも革新的な医薬品やより良い治療環境を提供すべく活動を展開しています。
バイオジェン・ジャパンに関する情報については、https://www.biogen.co.jp/ 、およびSNS媒体FacebookTwitterInstagramYouTubeLinkedInLINEをご覧ください。

参考文献
  1. 堀内泉, 吉良潤一.多発性硬化症.田村晃, 松谷雅生, 清水輝夫編.EBMに基づく脳神経疾患の基本治療指針.メジカルビュー社; 2002:276-79
  2. 公益財団法人難病医学研究財団:難病情報センター 特定疾患医療受給者証所持者数 https://www.nanbyou.or.jp/entry/1356
  3. Kinoshita M, Obata K, Tanaka M. Latitude has more significant impact on prevalence of multiple sclerosis than ultraviolet level or sunshine duration in Japanese population. Neurol Sci. 2015;36(7):1147-51.
  4. バイオジェン・ジャパン株式会社 多発性硬化症の患者さんの実態調査 (2017年5月30日発表)
    https://www.biogen.co.jp/ja_JP/news-insights/japanaffiliatenews/2017-05-30-news.html
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