飾らず素直に詠めばいい
自分の体験がオリジナリティになる俳句に夢中

2022年に開催した第1回私の多発性硬化症俳句コンテストで、当事者部門で特選に輝いたはなゑさん。2023年の第2回コンテストでも秀逸に入賞されました。俳句の話に目がきらきらと輝きます。

「17音と限られているからこそ俳句は面白い」と語るはなゑさん。「ブラウスのボタンに5分小春かな」は第一回目の俳句コンテストで「特選」に輝きました。使える音が少ないからこそ言葉をそぎ落とし、凝縮する俳句の魅力にはまりました。第1回目の俳句コンテストの募集要項を見て俳句を始めました。それまでも夏井いつき先生が出演するテレビ番組が好きで視聴していました。俳句の発想法、歳時記を見ながら初応募した作品が特選に選ばれ、とても驚きました。夏井先生の言葉である「季語の力を信じろ」のとおり、季語に含まれるニュアンスを最大限に活かして17音にまとめたのが良かったのかもしれません。

 

2015年2月頃、念願の一人暮らしを始めた直後くらいに足の痺れを感じ、整形外科を受診しました。その時点では病気とは診断されなかったものの、次第に手が痺れるようになり、ペンが持てなくなったり、首を曲げると腰に痺れが走るレルミット徴候が出て、近所のクリニックを受診しました。そのクリニックは神経内科医もいらっしゃったので、筑波大付属病院を紹介され、そこでMRI検査をして同年9月に多発性硬化症(MS)と診断されました。症状が強くでるとお箸も持てなくなり、スプーンやフォークを使います。第2回コンテスト入賞作品、「フォークしか持てぬ日もあり冷素麺」はこの症状を詠んだ句でした。手足の痺れはずっと続いていて、特に左手の人差指や中指には感覚がなく、ティッシュや牛乳パックなどの柔らかいものを持つのに苦労しています。

 

仕事は週1日出社、4日は在宅勤務なので、MSの症状と折り合いをつけながら仕事を続けています。疲れると脱力して足がガクガクするので、そうなる前に休憩をとり、クッキーなどの甘いものを取ったり、少し横になったりして体調管理しています。出社の際は、自宅近くの駅から座って通勤できますが、最近はヘルプマークの認知度が上がり、席を譲っていただけることも多くなりましたので助かっています。

 

現在は仕事のかたわら、夏井いつき先生の「おウチde俳句くらぶ」に投句しています。お題は月1回、写真で出されますが、その写真からイメージを膨らませていくことが楽しいです。自分の経験が増えればそれだけイメージも膨らませられるので、最近は小説などもさまざまなジャンルのものを読むようにしています。

 

実際に応募した句の中には格好つけた句もあったのですが、入賞したのはいずれも飾らずに素直に詠んだ句でした。辛いこともそのまま素直に、格好つけずに書く方が良いのかもしれませんね。自分にしかできない体験がオリジナリティになるのでは、と思っています。歳時記で季語をチェックすることも大切ですね。私もまた素直な気持ちで第3回のコンテストに応募してみたいと思います。

 

私の多発性硬化症俳句コンテストについては下記よりご覧ください。

第3回私の多発性硬化症俳句コンテスト
https://www.ms-supportnavi.com/ja-jp/home/efforts/effort01/2024.html

第2回私の多発性硬化症俳句コンテスト
https://www.ms-supportnavi.com/ja-jp/home/efforts/effort01/2023.html

第1回私の多発性硬化症俳句コンテスト
https://www.ms-supportnavi.com/ja-jp/home/efforts/effort01/2022.html

 

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