本資料は、米バイオジェン社が 2023年2月15日(現地時間)に発表したプレスリリースの抜粋日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

高い潜在性を有する成長ドライバーを推進
バイオジェン、2022年度通年の業績と2023年度通年のガイダンスを発表

2022年度通年の総収益および非GAAPでのEPS(一株当たり利益)、ガイダンスを上回る

  • 第4四半期の総収益は25億4400万ドル; GAAP希薄化後のEPSは3.79ドル; 非GAAP希薄化後のEPSは4.05ドル
  • 通年の総収益は101億7300万ドル; GAAP希薄化後のEPSは20.87ドル; 非GAAP希薄化後のEPSは17.67ドル

LEQEMBIの迅速承認とパイプラインの進展でアルツハイマー病をリードする立場を確立

  • FDAによるLEQEMBI(レカネマブ)の迅速承認; フル承認に向け米国で申請
  • EUで承認に向けた申請が受理される; 日本で承認申請ならびに優先審査品目に指定; 中国で生物学的製剤承認申請書(BLA)のデータ提出を開始
  • エーザイと協働し、患者経験価値とアウトカムを強化するための臨床試験を推進; 発症前の患者さんを対象とする試験、維持用量を検討する試験、皮下注製剤の試験を実施
  • ファーストインクラスの可能性を有しタウを標的とするバイオジェンの治療薬候補について、臨床第II相試験を開始

新規作用機序のうつ病治療薬候補zuranoloneについて、Sage Therapeutics社と共同で上市計画を推進

  • 大うつ病(MDD)と産後うつ病(PPD)を対象とするzuranoloneの新薬承認申請が米国で受理、優先審査品目に指定; 審査完了目標日(PDUFA)は2023年8月5日
  • 本申請はzuranolone 1日1回14日間投与による治療が、迅速な効果の発現と一貫した安全性および忍容性プロファイルを示したデータに基づき、MDDおよびPPDに苦しむ患者さんの新規の重要な治療選択肢候補となる可能性を有する

R&Dパイプラインのリスクプロファイルと生産性の改善に向けた取り組み

  • 開発部門トップを任命; 研究部門トップの人選中
  • 最も有望なリスク/リワード・プロファイルを持つと考えられるプログラムを優先
  • 特定の免疫疾患、精神神経疾患、希少疾患でさらなる多様化を進める可能性

既存の製品ポートフォリオによる機会を最大化

  • スピンラザの収益拡大の可能性を追求
  • 多発性硬化症(MS)事業の収益性改善への取り組み
  • バイオシミラー事業について戦略的選択肢を検討

収益に見合うコストベースの構築

  • コスト構造を最適化しつつ、直近に発売できる可能性の高い製品を優先
  • 既報のコスト節減目標達成に向け順調に進捗

2023年度通年の業績ガイダンス

  • 対2022年度で一桁台半ばの減収と15.00ドルから16.00ドルのEPS(非GAAP)を見込む

バイオジェン(NASDAQ: BIIB)の業績について、社長兼最高経営責任者(CEO)のクリストファー・ヴィーバッハーは次のように述べています:
「私たちはバイオジェンを持続可能な成長軌道に乗せるという戦略の下、直近の2つの重要な機会であるアルツハイマー病治療薬LEQEMBIとうつ病治療薬候補zuranoloneに注力し、製品ポートフォリオのさらなる多様化、有機的成長および新たなパートナーシップを含む社外の機会を通じた拡張を目指しています。私は、患者さんに違いをもたらすことに情熱を捧げる優秀な社内人財を含め、バイオジェンの未来を構築する強固な土台ができ上っていると確信しています」。

業績ハイライト

  Q4 ‘22 Q4 ‘21 △(CC#) FY ‘22 FY ‘21 △(CC#)
総収益(単位: 百万ドル) $ 2,544 $ 2,734 (7%) (4%) $ 10,173 $ 10,982 (7%) (5%)
GAAP希薄化後EPS $ 3.79 $ 2.50 52% - $ 20.87 $ 10.40 101% -
非GAAP希薄化後EPS $ 4.05 $ 3.39 19% - $ 17.67 $ 19.13 (8%) -

注: 前年同期比の増/(減)を変化の割合(%)で表記
# 恒常為替レート(CC)での収益増減の変化(%)は外国為替レートの変化および金融ヘッジ利益または損失による影響を除外して表記。当期の外国通貨での収益値は前期の平均為替レートで米国ドルに変換。

GAAPと非GAAPの業績指標の調整は本プレスリリース(英文オリジナル)の末尾に表4として記載。

 

収益サマリー

(単位: 百万ドル) Q4 ‘22 Q4 ‘21 △(CC#) FY ‘22 FY ‘21 △(CC#)
MS治療薬の収益+ $ 1,269 $ 1,528 (17%) (14%) $ 5,430 $ 6,097 (11%) (9%)
脊髄性筋萎縮症(SMA)
治療薬の収益
$ 459 $ 441 4% 10% $ 1,794 $ 1,905 (6%) (2%)
バイオシミラー製品の収益 $ 175 $ 221 (21%) (15%) $ 751 $ 831 (10%) (4%)
その他製品の収益^ $ 2 $ 4 (42%) (36%) $ 13 $ 14 (7%) (0%)
全医薬品収益* $ 1,905 $ 2,194 (13%) (10%) $ 7,988 $ 8,847 (10%) (7%)
抗CD20治療薬プログラムの収益 $ 448 $ 414 8% 8% $ 1,701 $ 1,659 3% 3%
委託製造およびロイヤリティの収益 $ 192 $ 126 52% 52% $ 485 $ 476 2% 2%
総収益* $ 2,544 $ 2,734 (7%) (4%) $ 10,173 $ 10,982 (7%) (5%)

注: 前年同期比の増/(減)を変化の割合(%)で表記
四捨五入により数値の合計および再計算が一致しないことがあります
+ 多発性硬化症治療薬: テクフィデラ®、VUMERITY®、 アボネックス®、PLEGRIDY®、タイサブリ®、FAMPYRATM
^ ADUHELM® およびFUMADERMTM含む
* ヘッジの純額

 

支出サマリー

(単位: 百万ドル) Q4 ‘22 Q4 ‘21 FY ‘22 FY ‘21
GAAPおよび非GAAPの売上原価* $ 571 $ 660 14% $ 2,278 $ 2,110 (8%)
総収益に対する比率% 22% 24% - 22% 19% -
GAAPおよび非GAAPの研究開発費用 $ 602 $ 700 14% $ 2,231 $ 2,501 11%
GAAPの販売および一般管理費 $ 633 $ 788 20% $ 2,404 $ 2,674 10%
非GAAPの販売および一般管理費 $ 632 $ 785 19% $ 2,399 $ 2,666 10%

注: 前年同期比の増/(減)を変化の割合(%)で表記
*取得済無形固定資産の償却および減損を除く

  • 2022年度第4四半期のGAAPおよび非GAAPの売上原価は約3600万ドルの余剰キャパシティの費用を含みます。これら費用のエーザイ株式会社(以下エーザイ)の負担分(約1800万ドル)は両社の利益分配に反映されています。2022年度通年のGAAPおよび非GAAPの売上原価は約1億1900万ドルの余剰キャパシティの費用を含みます。これら費用(約5500万ドル)のエーザイの負担分は提携による両社の利益分配に反映されています。
  • 2022年度通年のGAAPおよび非GAAPの売上原価は、アデュヘルムに関して需要予測を上回る在庫と購入契約の損金処理に関連する約2億8600万ドルの費用を含みます。これら費用のエーザイの負担分(約1億4200万ドル)は両社の利益分配に反映されています。2021年度第4四半期および通年のGAAPおよび非GAAPの売上原価は、アデュヘルムに関して需要予測を上回る在庫と購入契約の損金処理に関連する、それぞれ約1億6500万ドルおよび1億7000万ドルの費用を含みます。これら費用のエーザイの負担分(それぞれ約8200万ドルおよび8400万ドル)は提携による両社の利益分配に反映されています。
  • 2021年度第4四半期のGAAPおよび非GAAPの研究開発費用は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬候補で前臨床段階のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)BIIB115を開発・製品化する独占権取得のためのアイオニス・ファーマシューティカルズへの6000万ドルのオプトイン支払いと、B細胞非ホジキンリンパ腫および他の治療領域で開発中の後期段階の二重特異性抗体mosunetuzumab(米国ではLUNSUMIOTMとして承認済)の開発・製品化に向けたジェネンテックとの利益分配に参画するためのオプション権行使に関する約5000万ドルの支払いを含みます。
  • 2021年度通年のGAAPおよび非GAAPの研究開発費用は、イノケア・ファーマ・リミテッド、アイオニス、バイオセラ・ソリューションズ、ジェネンテック、カプシゲン・インク、ギンゴ・バイオワークスとの提携に関連する計2億8500万ドルの支払い、および先天性脈絡膜欠如を対象とするBIIB111と X連鎖性網膜色素変性症を対象とするBIIB112の開発中断に伴う臨床試験完了と製造関連の推計3900万ドルの費用を含みます。
  • 2022年度第4四半期および通年のGAAPおよび非GAAPの販売および一般管理費の減少は、主にコスト節減の取り組みによるものです。

 

その他の業績ハイライト

  • 2022年度第4四半期にバイオジェンは神経因性疼痛の治療薬候補vixotrigine(BIIB074)の開発を中断したことに伴い、GAAPで約1億2000万ドルの減損費用を計上しました。さらにこの決定により、vixotrigineに関連する条件付対価義務の価格調整による約1億9500万ドルのGAAPでの税引前利益を計上しました。
  • 2022年度第4四半期のGAAPおよび非GAAPの提携による利益分配は3500万ドルの費用超過となりました。これは、バイオジェンとサムスンバイオエピスとの提携に関連する純利益分配による4600万ドルの費用を含みますが、米国でアデュヘルムに関連してエーザイから1100万ドルの償還があったため一部相殺されました。2022年度通年のGAAPおよび非GAAPの提携による利益分配により純事業費が700万ドル減少しましたが、これは米国でアデュヘルムに関連するエーザイからの2億2500万ドルの償還を、バイオジェンとサムスンバイオエピスとの提携に関連する2億1700万ドルの純利益分配費用が一部相殺したことを含みます。
  • 2022年度第4四半期のGAAPでのその他の費用は1億1300万ドルで、主として1億700万ドルの戦略的株式投資に対する純評価損益がその要因でした。2022年度第4四半期の非GAAPでのその他の費用は700万ドルで、主な要因は純支払利息でした。2022年度通年のGAAPでのその他の収入は1億800万ドルで、主な要因はサムスンバイオエピスの株式売却に関連する15億500万ドルの実現利益で、2億6500万ドルの戦略的株式投資に対する純未実現損失、1億5700万ドルの純支払利息、以前公表した訴訟の和解に関連する9億1700万ドルの費用により一部相殺されました。2022年度通年の非GAAPでのその他の費用は2億1300万ドルで主な要因は純支払利息でした。
  • 2022年度第4四半期のGAAPおよび非GAAPの実効税率はそれぞれ9%および15%でした。2022年度第4四半期のGAAPでの実効税率はvixotrigine の開発中断の決定とそれによる減損および条件付対価の調整、および所有する有価証券ポートフォリオの時価評価損による恩恵を受けました。2022年度通年のGAAPおよび非GAAPの実効税率はそれぞれ18%および15%でした。2022年度通年のGAAPでの実効税率は、Neurimmune社のアデュヘルムへの課税基準に対する評価引当金および以前公表した訴訟の和解に関連する費用のうち控除不可能な部分によってマイナスの影響を受けましたが、海外の組織再編に対する繰延税優遇により一部相殺されました。

 

最近の進捗

  • バイオジェンは2022年度第4四半期に早期アルツハイマー病を対象にBIIB080(抗タウASO)の臨床第II相試験を開始しました。
  • バイオジェンは2022年度第4四半期にSMA患者さんのさらなるアンメットニーズに対応し、投与間隔を延長する可能性のあるSMA治療薬候補のASOであるBIIB115について、臨床第I相試験を開始しました。
  • バイオジェンは2023年2月に、MS治療薬候補の低分子経口ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害薬orelabrutinibに関するイノケア・ファーマ・リミテッドとのライセンスおよび提携契約を終了する決定を同社に通告しました。

 

バイオジェンについて
    1978年創立のバイオジェンは世界をリードするグローバル規模のバイオテクノロジー企業で、多発性硬化症治療薬の広範なポートフォリオ、脊髄性筋萎縮症治療薬として初めて承認された医薬品、アルツハイマー病の根本的な病理に作用する2つの治療薬の共同開発を含む、複数の革新的ブレークスルーを開拓してきました。バイオジェンは神経疾患、神経精神疾患、特定の免疫疾患、希少疾患において新規治療薬候補のパイプラインを推進し、より健康で持続可能で公正な世界の実現に向けて前進しつつ、人類に奉仕するという使命に献身的に取り組み続けています。

     投資家の皆様に重要な情報についてはバイオジェンのウェブサイト www.biogen.com に定期的に掲載しています。当社のSNS媒体 TwitterLinkedInFacebookYouTubeもご覧ください。

 

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