本資料は、米バイオジェン社が 2021年12月16日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

ADUHELM®の臨床第Ⅳ相検証試験に関する最新状況について

2021年12月16日– バイオジェン・インク(Nasdaq: BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、このたび、アルツハイマー病治療剤ADUHELM®(一般名:アデュカヌマブ)注射100mg/mL溶液の臨床第Ⅳ相検証試験に関する重要な最新状況をお知らせします。

本試験について、2022年3月に最終プロトコルを米国食品医薬品局(FDA)に申請し、2022年5月に最初の被験者様のスクリーニングを開始する予定です。本試験は、FDAによる迅速承認の市販後要件として実施される試験であり、国際共同プラセボ対照試験として1,300人以上の早期アルツハイマー病当事者様を登録し、投与18カ月後の臨床評価を主要評価項目とする予定です。ADUHELMのこれまでの臨床第Ⅲ相試験の被験者登録速度に基づくと、主要評価の完了時期は、試験開始から約4年後を見込んでいます。本試験には、より長期間の治療データを収集するために、最長48カ月間の長期継続投与も含まれる予定です。

バイオジェンのHead of Global Safety & Regulatory Sciences and interim Head of Research & DevelopmentであるPriya Singhal M.D.,M.P.Hは、「我々は、スケジュールを大幅に前倒しして検証試験を完了するために、タイムラインの加速に全力で取り組んでいます。患者様と医師が治療を決定する上での更なる情報として、我々が実施しているEMBARK試験(再投与試験)、およびICARE AD試験も含めた実臨床および臨床試験のデータを提供していくことをめざしています」と述べています。

Barrow Neurological InstituteのAlzheimer's and Memory Disorders Division、Professor of NeurologyであるMarwan Sabbagh, M.D., FAANは、「今回発表された臨床第Ⅳ相検証試験に関する最新状況と、本試験を開始後4年で完了するというバイオジェンとエーザイの目標を歓迎します。これは、FDAが迅速承認の一環として提示した期間の約半分です。本試験は両社にとって重要な取り組みであり、このような複雑な国際臨床試験の実施には時間がかかりますが、本試験に対して優先度高く取り組んでいることを嬉しく思います」と述べています。

両社は、本試験デザインについて、FDA、外部のステークホルダーおよび他の地域の規制当局との協議・協力を継続してまいります。

参考資料

ADUHELM® (一般名:アデュカヌマブ)について
米国におけるADUHELMの適応症は、アルツハイマー病の治療です。ADUHELMによる治療は、臨床試験において治療開始の対象としたアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症の患者様において開始される必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性に関するデータはありません。本適応症は、ADUHELMの治療により観察されたアミロイドβプラークの減少に基づき、迅速承認の下で承認されています。本迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。
アデュカヌマブ(aducanumab-avwa)は、アミロイドβに対するモノクローナル抗体です。脳内のアミロイドβプラークの蓄積は、アルツハイマー病の明確な病態生理学的特徴です。ADUHELMの米国における迅速承認は、臨床的有用性、この場合は臨床症状の悪化抑制をもたらす可能性が合理的に高い代理バイオマーカーであるアミロイドβプラークの減少に対するADUHELMの効果を示す臨床試験のデータに基づいて付与されました。
ADUHELMは、次のような重篤な副作用を引き起こす可能性があります。アミロイド関連画像異常(ARIA)は、多くは症状を引き起こさない一般的な副作用ですが、重篤になる場合があります。ほとんどの場合症状はありませんが、頭痛、錯乱、めまい、視力の変化、吐き気などの症状が現れる人もいます。医療提供者は、患者様に対してADUHELMによる治療前と治療中に磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを行い、ARIAをチェックします。ADUHELMは、次のような深刻なアレルギー反応を引き起こす可能性があります。ADUHELMの最も一般的な副作用には、脳内または脳の表面の微小出血の有無によらず脳の浮腫(ARIA)、頭痛と転倒があります。患者様は、副作用に関する医学的アドバイスをもらうように医療提供者に電話する必要があります。 2017年10月より、バイオジェンとエーザイは全世界的にアデュカヌマブの開発ならびに製品化を共同で実施しています。

米国における添付文書投薬ガイドはこちらから入手できます。

バイオジェン・インクについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。
2020年、バイオジェンは、気候、健康、公平さが深く相互に関連する課題に対して、20年間に2億5000万ドルを投資する大規模な取組みを開始しました。Healthy Climate, Healthy Lives™は、ビジネス全体で化石燃料の使用をゼロにし、著名な研究機関とのコラボレーションを構築して科学研究を進展させ、人類の健康を改善し、発展途上のコミュニティをサポートすることを目的としています。
バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、www.biogen.com/ およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、本社を日本に置くグローバル製薬企業です。当事者とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)・コンセプト」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
エーザイは、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療剤「アリセプト®」の開発・販売から得た経験を活かし、エーザイ認知症プラットフォームの確立を企図し、医療機関、診断薬開発企業、研究機関やバイオベンチャーに加え、民間保険、金融、フィットネスクラブ、自動車メーカー、小売業、介護施設などと連携して、新たな便益をお届けする「認知症エコシステム」の構築をめざしています。エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。

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