2021年7月8日– バイオジェン(Nasdaq: BIIB、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)とエーザイ株式会社(代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)がADUHELM™(一般名:アデュカヌマブ)注射100mg/ml溶液の添付文書の更新を承認したことを発表しました。
本更新は、臨床試験において対象となった病期を明確化するために、添付文書の「適応症と使用法」(セクション1)に下記のイタリック表記箇所を追記したものです。
ADUHELMの適応症は、アルツハイマー病の治療です。ADUHELMによる治療は、臨床試験において治療開始の対象としたアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度アルツハイマー病の患者様において開始する必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性に関するデータはありません。本適応症は、ADUHELMの治療により観察されたアミロイドβプラークの減少に基づき、迅速承認の下で承認されています。本迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。
バイオジェンの研究開発責任者であるアルフレッド・サンドロック, Jr., M.D., Ph.D.は、「処方医、FDAや患者団体の皆様との継続的な意見交換に基づき、ADUHELMの承認根拠となった3つの臨床試験で評価された対象患者集団がさらに明確になるよう、今回の添付文書更新をFDAに申請しました。私たちは、引き続きコミュニティーのニーズに耳を傾け、臨床現場においてこの重要なファースト・イン・クラスの治療薬が適用されるよう努めてまいります」と述べています。
本更新は、ADUHELMの臨床試験の対象となった病期を明記することにより、適応症を明確にしています。臨床試験の対象患者様の情報は、2021年6月23日付のステートメントをはじめ、バイオジェンとエーザイがこれまで発表してきたものです。
米国における添付文書はこちらから入手できます。
参考資料
適応症および重要な安全情報
ADUHELMの適応症
ADUHELMの適応症は、アルツハイマー病の治療です。ADUHELMによる治療は、臨床試験において治療開始の対象としたアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症の患者様において開始される必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性に関するデータはありません。本適応症は、ADUHELMの治療により観察されたアミロイドβプラークの減少に基づき、迅速承認の下で承認されています。本迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。
重要な安全情報
患者様がADUHELMについて知っておくべき最も重要な情報は何ですか?
ADUHELMは、次のような重篤な副作用を引き起こす可能性があります。アミロイド関連画像異常(ARIA)は、通常は症状を引き起こさない一般的な副作用ですが、重篤になる場合があります。これは、通常、時間の経過とともに減少する脳内の一時的な浮腫として最も一般的に見られます。一部の人々は、浮腫とともに脳の中または表面上に小さな出血の斑点ができることもあります。脳に浮腫がある人はほとんど症状がありませんが、頭痛、錯乱、めまい、視力の変化、吐き気などの症状が現れる人もいます。医療提供者は、患者様に対してADUHELMによる治療前と治療中に磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを行い、ARIAをチェックします。
上記の症状のいずれかがある場合、患者様はすぐに医療提供者に連絡するか、最寄りの病院の救急治療室に行く必要があります。
ADUHELMによる治療を受ける前に、患者様は次のような場合を含め、すべての病状について医療提供者に伝える必要があります。妊娠している、あるいは計画している方、母乳育児しているあるいはその計画が有る方。ADUHELMが胎児に害を与えるかどうか、またはアデュカヌマブ (ADUHELMの有効成分)は母乳に移行するかどうかは分かっていません。
ADUHELMで起こりうる副作用は何ですか?ADUHELMは、次のような深刻な副作用を引き起こす可能性があります。上記の「患者様がADUHELMについて知っておくべき最も重要な情報は何ですか?」を参照してください。
深刻なアレルギー反応。ADUHELM投与中に、顔、唇、口、または舌の腫れとじんましんが発生しました。患者様は、ADUHELM投与中または投与後に深刻なアレルギー反応の症状が見られた場合は、担当の医療提供者に報告する必要があります。
ADUHELMの最も一般的な副作用には、脳内または脳の表面の小さな出血の斑点の有無によらず脳の浮腫(ARIA)、頭痛と転倒があります。患者様は、副作用に関する医学的アドバイスをもらうように医療提供者に電話する必要があります。患者様は1-800-FDA-1088により、FDAに副作用を報告することができます。
バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.comおよびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。
エーザイ株式会社について
エーザイは、本社を日本に置くグローバル製薬企業です。当事者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)・コンセプト」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
エーザイは、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療剤「アリセプト®」の開発・販売から得た経験を活かし、エーザイ認知症プラットフォームの確立を企図し、医療機関、診断薬開発企業、研究機関やバイオベンチャーに加え、民間保険、金融、フィットネスクラブ、自動車メーカー、小売業、介護施設などと連携して、新たな便益をお届けする「認知症エコシステム」の構築をめざしています。エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。