短編映画製作の背景
SMAは、運動のために使用する筋肉をコントロールする神経に影響が及ぶ、遺伝性の神経筋疾患です。症状が出現する年齢と運動発達レベルにより大きく4タイプに分類されます。なかでも、生後1歳6か月までに発症し、生涯支えなしでは自力で立つことのできない「Ⅱ型SMA」や、生後1歳6か月以降成人までに発症し、いったんは歩けるようになった後にその運動機能が退行していく「Ⅲ型SMA」は、長期にわたって正確な診断がなされないケースも少なくありません。そのため、症状がありながらも正しい診断がついていない患者さんが存在すると考えられています。
弊社は、まだ正しく診断されていないⅡ型SMAやⅢ型SMAの方、そのご家族や周囲の方々の“気づき”になるよう、短編映画『GIFT』を製作いたしました。
この映画は、映画制作会社で数多くのCM、MVを演出し、国内外の賞を多数受賞された川上信也さんが監督を務め、映画やドラマ等数々の作品で活躍される実力派女優の西田尚美さんがⅡ型SMA患者さんの母親役を熱演しています。多様な症状に戸惑いを感じる患者さんやご家族のリアルな心情を再現し、さらに正確な診断がきっかけで自身と向き合い、夢を持つことの尊さを感じながら力強く生きる、様々なSMA患者さんの群像劇を描いています。
また、本作が学校教育や社会教育に広く利用されることで、同じような症状で悩んでいる学生や教育現場に関わる方々の“気づき”につながる一助となるよう、この度文部科学省が定める「教育映像等審査制度※1」に申請し、認定を受けました。
※1 映画その他の映像作品および紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育または社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、あわせて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与することを目的として、教育映像等審査規程に基づいて映像作品等の審査を行う制度