東京大学とバイオジェン・ジャパン「脳神経疾患治療学」社会連携講座での共同研究を延長

国立大学法人東京大学(総長:五神真、以下東京大学)とバイオジェン・ジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:アジェイ スレイク、以下バイオジェン)は、2017年7月1日東京大学大学院薬学系研究科に開設した社会連携講座「脳神経疾患治療学」(講座担当:富田泰輔教授(兼務))における共同研究の期間を2020年7月からさらに2年間延長することに合意いたしました。社会連携講座は、公益性の高い研究課題について企業等の費用負担により実施されるものです。

本講座においては東京大学大学院薬学系研究科における基礎・創薬・疾患科学研究の幅広い領域において保有する最先端の学術的知見と、バイオジェンが培ってきた脳神経疾患治療法の研究開発技術を融合することにより、脳神経疾患に対する診断・予防・治療薬開発における新規創薬標的分子やバイオマーカーを同定し、画期的な創薬研究に繋げることを目的として研究を進めてきました。

本共同研究は東京大学未来社会協創推進本部登録プロジェクト*の一つとして、SDGs目標3「すべてのヒトに健康と福祉を」、目標8「働きがいも経済成長も」、目標11「住み続けられるまちづくりを」を達成目標とし、超高齢化社会におけるこれら疾患の克服、さらには「健やかな長寿社会」および「多世代共生型社会」の達成を目指すものです。これまで3年間の研究で、新規アルツハイマー病病態モデル動物の確立、細胞生物学的解析によるパーキンソン病発症機構の創薬標的分子群の同定、中枢神経系への新規ドラッグデリバリー技術の開発を進めてきました。今後2年間の研究においてはこれらの成果を元に、中枢移行性に優れたアルツハイマー病治療・予防法の開発、新規パーキンソン病治療薬開発研究を目的として、本共同研究を強力に推進します。
*未来社会協創推進本部登録プロジェクトは、SDGsの17目標に基づき、東京大学の多様な活動を可視化・発信することにより、シナジーと社会的価値の創出に繋げるための仕組みです。

東京大学大学院薬学系研究科について
東京大学大学院薬学系研究科は、「医薬品」という難度が高く、かつ高い完成度が要求される「生命の物質科学」と、国民生活に直結した「生命の社会科学」を探求し、2つの科学の最終目標である「人間の健康」を最重要課題としていることが最大の特徴の部局です。明治6年(1873年)に第一大学区医学校に製薬学科が開校したことを発端とし、昭和33年(1958年)に東京大学薬学部として独立しました。以来、一貫して生命科学(ライフサイエンス)を対象としています。そしてそれぞれの研究者が先端的な研究を行うと同時に、創薬科学に新しい方法論を確立し、また世界的な創薬競争の激化の渦中において、これまでの学問の枠組みに囚われない新しい境界分野の研究領域を創成し、新しい発見を速やかに創薬探索に応用していくことを目的とした最高水準の研究活動を行っています。更にこれらの研究活動に裏付けられた教育活動により、創薬科学および基礎生命科学の発展に寄与する研究者、医療行政に貢献する人材、高度医療を担う薬剤師の養成を行っています。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。

バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

バイオジェン・ジャパンは、米国バイオジェンの日本法人です。世界で最も歴史のある独立系バイオテクノロジー企業の日本法人として、日本では2000年より事業を展開しています。「神経科学の不可能を、可能に。」をビジョンに掲げ、日本の患者さんにも革新的な医薬品やより良い治療環境を提供すべく活動を展開しています。
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