本資料は、米バイオジェン社が 2020年6月4日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェン、皮膚エリテマトーデス(CLE)を対象とする第II相試験のポジティブな結果をオンライン開催の2020年欧州リウマチ学会議(EULAR)で発表

  • LILAC試験におけるCLEパートの全ての解析が完了し、ポジティブなトップライン結果をさらに確実なものに;BIIB059(抗BDCA2抗体)の投与を受けた被験者の疾患活動性が、プラセボ群と比較して統計学的に有意に低下。
  • 安全性および忍容性のデータにより、BIIB059の開発を継続。
  • 今回の結果により、皮膚病変および/または全身症状を特徴とする慢性の自己免疫疾患であるエリテマトーデスの患者さんのため、新たな疾患修飾治療薬の選択肢を開発し製品化するためのバイオジェンの取組みが明確に。

マサチューセッツ州ケンブリッジ-2020年6月4日-バイオジェン(NASDAQ略称:BIIB)は、臨床第II相LILAC試験における16週時点での皮膚エリテマトーデス(CLE)パートのポジティブなデータを発表しました。本試験は、形質細胞様樹状細胞(pDCs)に発現した血液樹状細胞抗原2(BDCA2)を標的とする完全ヒト化IgG1モノクローナル抗体(mAb)、BIIB059について、有効性と安全性を評価しました。データは2020年6月3~6日にオンラインで開催された2020年欧州リウマチ学会議(EULAR)で発表されました。

バイオジェンで多発性硬化症および免疫領域開発ユニットのバイスプレジデントを務めるナタリー・フランチモンM.D., Ph.Dは次のように述べています。「私たちは、オンラインで開催された2020年EULAR学会で発表したBIIB059の臨床第II相エリテマトーデス試験におけるCLEパートの結果に勇気づけられています。これらのデータは、現在限られた治療選択肢しかないエリテマトーデスの患者さんに意味のある新たな治療薬をお届けするという私たちの目標を明確にするものです」。

LILAC試験のCLEパートは、16週時点で、CLEの被験者の「皮膚エリテマトーデス疾患エリアおよび重症度インデックス・アクティビティ(CLASI-A)」のスコアが、ベースラインからの増減率でBIIB059の用量反応を示しながら主要評価項目を達成(p<0.001)しました。CLEの被験者で、BIIB059の50 mg、150 mg、450 mgによる治療群は、CLASI-Aスコアが、プラセボ群の14.5%と比較して、それぞれ38.8% (p=0.015)、47.9% (p<0.001)、42.5% (p=0.001)低下しました。CLASI-Aは、CLEによる皮膚の疾患活動性の変化を検出するための、明確に定義された信頼できる指標です。

副次的評価項目であるCLASI-50改善率に関しては、BIIB059の450 mgによる治療群において、プラセボ群と比較して23.3% (p=0.024)多い被験者がCLASI-50改善率を達成して統計学的有意差を示しました。統計学的有意差は示されなかったものの、BIIB059の50 mgおよび150 mgによる治療群も、プラセボ群と比較してより多くの被験者(それぞれ15.8%および21.2%)がCLASI-50改善率を達成しました。CLASI-50改善率とは、CLASI-Aスコアのベースラインからの50%の改善として定義されます。

LILAC試験で観察された有害事象の大部分は軽症または中等症で、重篤な有害事象の発現率はBIIB059による治療群で7.1%、プラセボ群で9.1%でした。感染症の発現率はBIIB059による治療群で34.3%、プラセボ群で30.3%、 感染症リスクの大幅な上昇は認められませんでした。 8名の被験者(全員がBIIB059による治療群)が副作用のために治験薬の投与を中止しました。全体として、安全性および忍容性の結果はBIIB059の開発継続をさらに支持しています。

LILAC試験は、2つのパートからなる、プラセボ対照無作為化並行二重盲検試験で、全身症状の有無にかかわらず慢性および亜急性のサブタイプを含む疾患活動性皮膚エリテマトーデス(CLE)の被験者、および関節および皮膚に活発な症状発現のある全身性エリテマトーデス(SLE)の被験者を対象に、BIIB059をプラセボと比較しました。

LILAC試験におけるSLEパートの最終的な結果は、今後の学会等で発表される予定です。

BIIB059について
バイオジェンが創製し単独で開発するBIIB059は、血液樹状細胞抗原2(BDCA2)を標的とする完全ヒト化IgG1モノクローナル抗体(mAb)で、現在CLEおよびSLEの治療薬として開発されています。BDCA2は、形質細胞様樹状細胞(pDCs)と呼ばれるヒト免疫細胞のサブセットに特異的に発現する受容体で、タイプ-I IFN(IFN-I)を含む炎症性サイトカインがpDCsから産生されるのを減少させることが示されています。炎症性メディエーターはエリテマトーデスの発症に主要な役割を果たすと考えられています。

臨床第II相LILAC試験について
臨床第II相LILAC試験は、2つのパートからなる、プラセボ対照無作為化二重盲検試験で、全身症状の有無にかかわらず慢性および亜急性のサブタイプを含む疾患活動性皮膚エリテマトーデス(CLE)の被験者、および関節および皮膚に活発な症状発現のある全身性エリテマトーデス(SLE)の被験者264名を対象に、BIIB059の安全性と有効性をプラセボと比較しました。本試験のCLEパートは、疾患活動性CLEの被験者132名が組み入れられました。BIIB059の50 mg、150 mg、または450 mgをそれぞれ4週ごとに皮下投与、但し2週目のみ次投与との間に追加で投与した群をプラセボ群と比較しました。主要評価項目は、16週時点での「皮膚エリテマトーデス疾患エリアおよび重症度インデックス・アクティビティ(CLASI-A)」スコアのベースラインからの増減率で示されるBIIB059の用量反応でした。

皮膚エリテマトーデス(CLE)について
CLEは、身体の免疫システムが健康な肌を攻撃することで痛みや痒みをともなう皮疹や皮膚病変を起こす慢性の自己免疫疾患です。CLEは患者さんのQOL低下を招き、うつ状態を増大させます。CLEの一部は、瘢痕化、皮膚の萎縮、脱毛症をともなうことがあります。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。

バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

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