本資料は、米バイオジェン社が 2020年2月27日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェンとサンガモ社、グローバル規模で提携:アルツハイマー病、パーキンソン病、神経筋疾患、他の神経疾患に対するゲノム制御薬の開発を目指す

  • 神経疾患のゲノム制御薬開発を目指す広範な提携に含まれるのは、当初注力するアルツハイマー病を含むタウオパチーに対するST-501、パーキンソン病を含むシヌクレイノパチーに対するST-502、および神経筋疾患に対する治療薬候補の開発と、さらに神経疾患を対象とする9つの未公開の治療薬候補に対するバイオジェンの独占的権利の獲得
  • バイオジェンはサンガモ社にライセンス料とサンガモ社の株式投資を含む前払い一時金3億5,000万ドルを支払い
  • サンガモ社は最大23億7,000万ドルの潜在的マイルストーンと、製品化が実現した場合の商業ベースの純売上高へのロイヤリティを受領する権利を獲得
  • バイオジェンはサンガモ社のゲノム制御治療薬候補へのアクセスを獲得することで、多様な神経疾患に対する遺伝子治療への取り組みの拡大を補完

米マサチューセッツ州ケンブリッジ、カリフォルニア州ブリスベン、2020年2月27日 – バイオジェン(NASDAQ略称BIIB)と、ゲノム医薬品企業 サンガモ・セラピューティクス・インク(NASDAQ略称SGMO、以下サンガモ社)は、グローバル規模でライセンス提携契約を締結し、アルツハイマー病を含むタウオパチーに対するST-501、パーキンソン病を含むシヌクレイノパチーに対するST-502、および3つ目として非開示の神経筋疾患のターゲットに対する治療薬候補、さらに神経疾患を対象とする最多で9つの未公開の治療薬候補の開発と製品化を目指すことを発表しました。両社は神経疾患に関わる主要な遺伝子の発現を調節するために、アデノ随伴ウィルス(AAV)を用いて送達するサンガモ社独自のジンク(亜鉛)フィンガー・タンパク(ZFP)のテクノロジーを活用します。

バイオジェンの研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントのアルフレッド・サンドロックJr., M.D., Ph.Dは、次のように述べています。「神経科学のパイオニアとして、バイオジェンはサンガモ社と提携し、世界全体でその影響が重要視されている困難な神経疾患の治療薬候補となる、新規のゲノム制御治療のアプローチにDNAレベルで取り組みます。私たちはこれらのプログラムの開発を推進して新薬臨床試験開始申請に進めることを目指します」。

サンガモ社のCEOであるサンディ・マクレイ(Sandy Macrae)は、次のように述べています。「アルツハイマー病やパーキンソン病のように重篤であり、多くの神経変性疾患を患う患者さんに対して、承認された疾患修飾薬は今のところ存在しません。既存の標準治療のように単なる対症療法にとどまることなく、疾患の進行を抑制し、または止める治療薬の開発が喫緊の課題となっています。神経科学にゲノム治療薬がもたらす展望は、ゲノムレベルで根本原因に対処することで、単回で疾患の自然経過を変えるような治療を患者さんに提供するものだと確信しています」。

サンガモ社のゲノム制御テクノロジー、ジンクフィンガー・タンパク型転写因子(ZFP-TFs)は、現在のところAAVにより送達され、目指す治療効果を達成するために、特定の遺伝子の発現を選択的に抑制、または活性化するためにDNAレベルで機能します。AAVベクターを介して、タウタンパク(ST-501)やα‐シヌクレイン(ST-502)をターゲットにZFP-TFsを送達することで、タウタンパクやα‐シヌクレインを高度な選択性で強力かつ調節可能な形で抑制することが前臨床試験で実証されています。

サンガモ社のコーポレート・ストラテジー部門のトップ、ステファン・ボイセル(Stephane Boissel)は次のように述べています。「サンガモ社独自のジンクフィンガー・タンパクのテクノロジーにバイオジェンの比類ない神経科学領域の研究、医薬品開発、製品化の経験と能力、そして神経疾患を患う患者さんに革新的医薬品をお届けするという両社が共有するコミットメントを組み合わせることで、強固で説得力のある提携への土台を確立することができます。この提携は、複雑な臨床試験デザインと市場化の道筋を要する疾患領域における、数多くの多様な患者さんを対象とするプログラムでパートナシップを追求し、私たちが持つプラットフォームの価値を最大化しつつ、治療薬をより早くより効率的に患者さんにお届けするという現在の戦略に対するサンガモ社のコミットメントを体現するものです」。

本契約の条件により、バイオジェンはアルツハイマー病を含むタウオパチーに対するST-501、パーキンソン病を含むシヌクレイノパチーに対するST-502、および3つ目として未公開の神経筋疾患のターゲットに対する治療薬候補へのグローバル規模の独占的権利を有します。さらにバイオジェンは、5年間のターゲット選定期間中に、追加で最多9つの未公開の治療薬候補を指定する独占的権利を有します。サンガモ社は、治療上関連のある遺伝子をターゲットに、独自の中枢神経系送達ベクターとZFP-TFsの組み合わせの開発を目的に早期の研究活動を実施し、そのコストを両社で負担します。そしてバイオジェンは、新薬臨床試験開始のための研究、臨床開発、関連する規制当局とのやり取り、そしてグローバルレベルでの製品化に向けた責任を担い、そのコストを負担します。

サンガモ社は、本提携による最初の3つの製品について、臨床試験のためのGMP適合の製造活動に責任を持ち、そのために自社の製造キャパシティを活用します。バイオジェンは、最初の3つの製品それぞれの最初の臨床試験後のGMP適合の製造活動に責任を持ちます。

本取引の完了により、サンガモ社はライセンス料として1億2,500万ドルと、1株9.21ドルで約2,400万株のサンガモ社の新株発行・売却による2億2,500万ドルの合計3億5,000万ドルを受領します。サンガモ社はさらに、開発、薬事プロセス、製品化に対するその他のマイルストーンとして最大23億7,000万ドルを受領しますが、その内訳は、最大9億2,500万ドルの承認前のマイルストーンと、最大14億4,500万ドルの最初の商業上の売上と売上に基づくその他のマイルストーンです。サンガモ社はまた、本提携から誕生する製品に対する潜在的な商業上の純売上高に対する1桁台後半から10%台前半の段階的ロイヤリティをバイオジェンから受領することができます。本取引の完了は、1976年合衆国ハート・スコット・ロディノ(HSR)反トラスト強化法を含む独占禁止法に基づく審査の完了を条件とします。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、運動障害、神経筋障害、急性神経疾患、神経認知障害、疼痛、眼疾患といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

サンガモ・セラピューティクスについて
サンガモ・セラピューティクスは革新的な科学を応用して、遺伝子治療、体外での遺伝子編集による細胞療法、体内でのゲノム編集や遺伝子調節により、患者さんの人生を変える可能性を持つゲノム医薬品の研究開発に取り組んでいます。サンガモ・セラピューティクスに関する情報については、www.sangamo.com. をご覧ください。

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