本資料は、米バイオジェン社が 2018年1月25日(現地時間)に発表したプレスリリースをハイライト部分を一部抜粋して日本語訳として発表させていただくものです。よって必ずしも日本の状況を反映したものでないことをご了承ください。内容につきましては原本である英文が優先します。プレスリリースの英語全文につきましては、米バイオジェン社のウェブサイトをご覧ください。

 

バイオジェン、2017年度通期と第4四半期の業績を発表:123億ドルと33億ドルで、いずれも過去最高を達成

2017年度の総売上は7%増で、血友病関連売上を除くと15%増*
2017年度のGAAPベースEPSは米国税制改革に起因する経費12億ドルを含め30%減少
2017年度の非GAAPベースEPSは8%増
2017年度はニューロサイエンスのパイプラインに7つの臨床プログラムを追加
2018年度通期の売上予測は127億ドル~130億ドル

マサチューセッツ州ケンブリッジ – バイオジェン (NASDAQ略号: BIIB)は、1月25日(米国時間)2017年度通期と第4四半期の業績を発表しました。

  • 年間総売上は123億ドルで、前年比7%増。血友病関連の売上を除くと15%増でした。*
    • 多発性硬化症(MS)の年間売上は対前年比4%増の91億ドルとなりました。これにはOCREVUS®の推定売上のロイヤルティとして1億5900万ドルが含まれます。
      • 2017年度第4四半期は、多発性硬化症製品の売上が前年同期比5%増の23億ドルとなりました。これにはOCREVUS®の推定売上のロイヤルティとして7700万ドルが含まれます。
      • 2017年度第4四半期は、米国における多発性硬化症製品の売上がテクフィデラ®、アボネックス® 、PLEGRIDY ® の流通在庫が増加したため、2017年度第3四半期と比べ、約4000万ドル増加しました。
    • 通年のテクフィデラのグローバルでの売上は42億ドルで、前年比6%増でした。
    • 通年のタイサブリのグローバルでの売上は20億ドルで安定していました。
    • 通年の売上増にはスピンラザ®の発売も寄与しています。グローバルでのスピンラザ®の売上は8億8400万ドルでした。
  • バイオジェンの通年のGAAPベース純利益と希薄化後1株当たり利益(EPS)は、それぞれ25億ドルと11.92ドルです。
    • GAAPベースの純利益とEPSについては、米国の法人税の税制改正法案に関連するTransition Toll Taxと純繰延税金資産の再算定によるインパクトが、それぞれ12億ドルと5.51ドル生じています。
    • GAAPベースの純利益とEPSについては、開発中のアルツハイマー病治療薬aducanumabの潜在的な商業的売上に対するNeurimmune社へのロイヤルティ支払いを削減するためのインパクトも、それぞれ1億1000万ドルと0.52ドル生じています。
    • GAAPベースの純利益とEPSについては、ZINBRYTA®関連資産の減損に関連するインパクトも、それぞれ8400万ドルと0.39ドル生じています。この減損は、EUにおけるZINBRYTAの第20条手続きに関連するものです。
  • バイオジェンの通年の非GAAPベース純利益と希薄化後EPSは、それぞれ46億ドルと21.81ドルです。
    • 非GAAPベースの純利益とEPSについては、ZINBRYTA関連資産の減損に関連するインパクトが、それぞれ6100万ドルと0.29ドル生じています。
  • 通年のGAAPベースと非GAAPベースの純利益と希薄化後EPSは、それぞれ7300万ドルと0.34ドル減少しました。その原因は、2017年度第4四半期に発生したAlkermes社とIONIS Pharmaceuticals社との事業開発取引に関する研究開発関連経費です。

* 2017年度第1四半期に、バイオジェンはグローバルレベルで血友病事業のスピンオフを完了しました。新会社の名前はバイオベラティブです。15%増となった総売上からは、2016年から2017年1月までの全ての血友病関連事業が除外されています。血友病売上にはイロクテイト®とオルプロリクス®の製品売上が含まれています。また、Sobi社に対するロイヤルティと委託製造売上も含まれています。

バイオジェンのミシェル・ヴォナッソス最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「2017年度はバイオジェンが強い実行力を発揮した年でした。戦略的優先順位を見直した結果、当社は過去最高の通期売上と堅調な利益に加え、2017年にニューロサイエンスのパイプラインに7つの臨床試験プログラムを追加したことで、将来の基盤づくりに向けて重要な成果を挙げました。当社の中核領域である多発性硬化症は激化する競合環境で実力を発揮し、スピンラザはこれまでに成功を収めた希少疾患治療薬の発売のひとつとなり、患者さんとご家族に新たな希望をお届けすることができました。また、当社の事業開発における案件も成果を挙げました。その結果、2017年度はバイオジェン史上、最も実りある年となりました。
そして、今後12カ月から18カ月で中核事業と新興事業分野の双方で重要なデータが出てくるものと期待しています。これは、当社がニューロサイエンスの分野で先進的な研究開発をリードしているからです」。

最近のハイライト

  • 2017年、バイオジェンはニューロサイエンス領域での7つの臨床開発プログラムをパイプラインに加えました。その中には、多発性硬化症に対するBIIB098 (MMFプロドラッグ)、アルツハイマー病と進行性核上性麻痺の両適応症に対するBIIB092 (抗タウ抗体)、アルツハイマー病に対するBIIB076 (抗タウ抗体)、アルツハイマー病に対するBIIB080 (タウアンチセンスオリゴヌクレオチド)、大脳半球梗塞(LHI)に対するBIIB093 (静注グリベンクラミド)および薬剤抵抗性焦点性てんかんに対するナタリズマブが含まれています。
  • 2018年1月、バイオジェンはKaryopharm Therapeutics社の第Ⅰ相試験準備中の経口化合物であるKPT-350の独占的なグローバルレベルでの開発・販売権を獲得しました。KPT-350は、特定の神経変性疾患の治療薬であり、主として筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するものです。KPT-350は新規候補化合物であり、XPO1を阻害することで作用します。その目的は、炎症と神経毒性を減少させ、同時に神経保護反応を強化することにあります。バイオジェンはKaryopharm Therapeutics社に前払い一時金として1000万ドルを支払い、マイルストン達成時に最大2億700万ドルを支払います。KPT-350の潜在的な売上についてのロイヤルティは分割で支払う予定です。
  • 2018年1月、バイオジェンはパーキンソン病治療薬BIIB054 (抗アルファシヌクレイン抗体)の第Ⅱ相SPARK試験における最初の患者さんへの投薬を完了しました。
  • 2018年1月、バイオジェンはリジェネロン・ファーマシューティカルズ、ファイザー、アッヴィ、アストラゼネカ、アルニラムと英国のバイオバンクのデータベース中の50万人の遺伝子情報を集めるための協力体制の編成に参画しました。このプロジェクトは、新薬探索の加速と承認取得率の向上につながる可能性があります。バイオジェンは、本プロジェクトに1000万ドルを拠出しました。
  • 2018年1月、欧州医薬品庁(EMA)のZINBRYTA第20条手続きが完了し、欧州委員会がZINBRYTAによる重篤な肝臓障害のリスクを最小化するための制限を採択しました。これには、再発型多発性硬化症の成人患者への使用制限が含まれています。これら患者さんは、少なくとも2つの疾患修飾薬(DMT)に不適切な反応を示すとともに、他の何らかのDMTによる治療が禁忌または不適応となっています。
  • 2017年12月、バイオジェンとエーザイは「独立データモニタリング委員会が、ベイジアン解析に基づき、BAN2401は12カ月で第Ⅱ相臨床試験(スタディ201)の被験者856名において主要評価項目を達成するという早期アルツハイマー病における成功といえる基準を満たしていないと判断した」ことを発表しました。所定の臨床試験プロトコルに従い、本試験は当初予定どおり継続し、臨床的な有意性を検証するための総合的な最終解析が18カ月時点で行われます。この最終解析の結果は2018年度下半期に得られる予定です。
  • 2017年12月、バイオジェンとIONIS社は新たな契約を結び、脊髄性筋萎縮症(SMA)を治療するための新しいアンチセンス核酸(ASO)医薬品候補を探索することを決定しました。バイオジェンには、この提携関係から生み出される治療薬を導入するオプション権を有し、その開発と製品化を担当することになっています。
  • 2017年11月、バイオジェンとAlkermes社はBIIB098を開発・製品化するためのグローバルレベルでのライセンス提携についての合意に達しました。BIIB098は、経口MMF小医薬品分子であり、再発型多発性硬化症治療薬開発の第Ⅲ相試験中です。
  • 2017年11月、バイオジェンは進行中のaducanumab第Ib相試験の長期継続投与試験からの新データを米マサチューセッツ州ボストンで開かれた「アルツハイマー病臨床試験」(CTAD)会議で公表しました。このデータには、その第Ib相試験で24カ月にわたってaducanumabの漸増投与を受けた患者さんと、36カ月にわたって固定用量(3、6、10mg/kg)の投与を受けた患者さんの試験結果が含まれています。その結果には、これまでに第Ib相試験から報告された解析との一貫性が示されました。また、早期アルツハイマー病を対象に進行中のaducanumab第Ⅲ相試験のデザインを支持しています。
  • 2017年11月、SMA治療薬スピンラザの第Ⅲ相試験であるENDEAR試験の最終結果がNew England Journal of Medicine誌に掲載されました。
  • 2017年10月、バイオジェンとアイオニス社はスピンラザについて、最良のバイオテクノロジー医薬品として、権威ある米国ガリアン賞2017を受賞しました。米国ガリアン賞はヒトの健康を増進する科学的イノベーションにおける卓越した成果を顕彰するものです。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープらにより設立されたバイオジェンは、世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー企業の一つであり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、神経免疫疾患、運動性疾患、神経筋障害、痛み、眼科、神経精神医学といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。
当社に関する情報については、https://www.biogen.com およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

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