本資料は、米バイオジェン社が 2020年1月30日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェン、2019年度通年で144億ドルの売上を達成

  • 2019年度の売上増7%は、全ての中核ビジネスの成長が牽引
  • 2019年度のGAAP EPSは46%増、非GAAP EPSは28%増
  • エリテマトーデスに対するBIIB059のポジティブな第II相試験データを発表、第III相試験に進む予定
  • 米国および他の主要市場でルセンティス®とアイリーア®のバイオシミラー販売権を獲得
  • アルツハイマー病およびパーキンソン病に対する新薬候補獲得の契約締結

米マサチューセッツ州ケンブリッジ、2020年1月30日 – バイオジェン(NASDAQ 略称 BIIB)は、2019年度通年および第4四半期の業績を発表しました。

バイオジェンのミシェル・ヴォナッソス最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「2019年度、バイオジェンは、多発性硬化症(MS)事業が回復したこと、スピンラザ®が世界各国で力強い成長を継続したこと、そしてバイオシミラー事業が拡大したことにより、中核ビジネス全体にわたり強固な実行力を示すことができました。さらに、パイプラインが拡大し、中でもアルツハイマー病に対するアデュカヌマブの展望には大いに期待しており、できるだけ早く米国での承認申請を完了することを目指しています」。

財務成績

  • 通年の総売上は143億7,800万ドルで、対前年で7%増加しました。全ての中核ビジネス領域における成長が牽引しました。
    • MS領域製品の通年の売上は、OCREVUS®の売上に基づくロイヤリティ6億8,800万ドルを含め、前年比2%増の92億1,700万ドルとなりました。
    • スピンラザの通年の売上は、前年比22%増の20億9,700万ドルとなりました。
    • バイオシミラーの通年の売上は、35%増の7億3,800万ドルでした。
  • バイオジェンの通年の GAAP 純利益および希薄化後1株当たり利益(EPS)は、それぞれ58億8,900万ドルと31.42ドルでした。前年はそれぞれ44億3,100万ドルと21.58ドルでした。
  • バイオジェンの通年の非GAAP純利益および希薄化後EPSは、それぞれ62億9,100万ドルと33.57ドルでした。前年はそれぞれ53億7,800万ドルと26.20ドルでした。

 

ヴォナッソスは、引き続き次のように述べています。「2019年度は新たに7つの臨床プログラムを追加したことで私たちのパイプラインは拡大し成熟しつつあり、2021年度末までに11の開発中期から後期段階の試験のデータリードアウトを予定しています。私たちは複数の領域から成る製品ポートフォリオ構築を目指しており、アルツハイマー病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、脳卒中、エリテマトーデス、眼疾患、そしてバイオシミラー等の領域において、近い将来に価値を創出する多様な機会に期待しています。 私たちはこれまで通り、株主のために長期的な投資効率を最大化させるという目的に向け、資本の効率的かつ適切な配分に注力してまいります」。

売上のハイライト

  • 2019年第4四半期、米国におけるテクフィデラ、VUMERITY、アボネックス、PLEGRIDY、タイサブリの流通在庫レベルは合計でおよそ1億3,500万ドル増加しました。これは、2019年第3四半期に比べるとおよそ3,000万ドル減少しており、2018年第4四半期と比べると約1億500万ドル増加しています。
  • 2019年第4四半期、スピンラザの売上は米国で2億4,300万ドル、米国外では3億ドルでした。スピンラザの投与を受けている患者さんの数は、2019年第3四半期に比べ、米国で約2%、米国外で約10%増加しました。

 

最近のハイライト

  • 2020年1月、バイオジェンは、ファイザー社と契約を締結し、様々な精神疾患および神経疾患による行動症状および神経症状を有する患者さんの治療薬候補として、新規の中枢神経系透過性低分子カゼインキナーゼ1(CK1)阻害薬PF-05251749を獲得することを発表しました。バイオジェンは臨床第I相にあるPF-05251749について、特にアルツハイマー病の夕暮れ症候群、およびパーキンソン病の不規則型睡眠・覚醒リズム障害の治療薬として開発する予定です。本契約は、7,500万ドルの一時金、最大で6億3,500万ドルに達する可能性のある開発と製品化のマイルストーンに伴う追加の支払い、および1桁台後半から10%台前半の段階的なロイヤリティの支払いを含みます。今回の取引は、1976年の合衆国ハート・スコット・ロディノ反トラスト強化法に基づく待機期間の満了を含む、慣習的な取引完了条件を満たすことを前提に、2020年第1四半期に完了する見込みです。
  • 2019年にバイオジェンは7つの臨床プログラムをパイプラインに加えました。具体的には:
    • コロイデレミア(CHM)に対するBIIB111(timrepigene emparvovec)
    • X連鎖網膜色素変性症に対するBIIB112(RPGR遺伝子治療)
    • 多発性硬化症に対するBIIB091(BTK阻害剤)
    • パーキンソン病に対するBIIB094 (ION859)
    • 筋萎縮性側索硬化症に対するBIIB100(XPO1阻害剤)
    • 脳挫傷に対するBIIB093(グリベンクラミド 静脈注射)
    • SB11(ルセンティスのバイオシミラー)
  • 2019年12月、バイオジェンはCAMP4 セラピューティクス社(以下CAMP4社)と業務提携契約を締結しました。この契約は、多くの重篤な神経疾患および神経変性疾患に関与する中枢神経系の主要免疫細胞であるミクログリア内の疾患関連遺伝子が、どのように発現または制御されるかを特定するために、CAMP4社の遺伝子回路プラットフォーム(Gene Circuitry PlatformTM)を活用することが目的です。本契約の条件に従い、バイオジェンはCAMP4社に1,500万ドルの一時金を支払いました。
  • 2019年12月、バイオジェンはカタリストバイオサイエンシーズ社(以下カタリスト社)とグローバルレベルでのライセンスおよび業務提携契約を締結し、萎縮型加齢黄斑変性症に関連する地図状萎縮の治療薬候補で、前臨床段階の抗C3プロテアーゼであるペグ化CB 2782の開発と製品化を目指します。本契約の条件に従い、バイオジェンはカタリスト社に1,500万ドルの一時金を支払いました。
  • 2019年12月、バイオジェンはサムスンバイオエピス社との取引を完了し、米国、カナダ、ヨーロッパ、日本、オーストラリアを含む全世界の主要市場で、眼疾患領域の2つの新規バイオシミラー候補、SB11(先発品ルセンティス)およびSB15(先発品アイリーア)を独占的に販売する権利を確保しました。さらにバイオジェンは、サムスンバイオエピス社が持つ抗TNF製剤のバイオシミラーのポートフォリオ(BENEPALI、 FLIXABI、IMRALDI)について、中国での独占的販売権を獲得しました。バイオジェンはまた、これら抗TNF製剤のバイオシミラーのポートフォリオについて、サムスンバイオエピス社とのヨーロッパでの既存の販売契約を延長するオプション権も獲得しました。
  • 2019年12月、バイオジェンは進行性核上性麻痺(PSP)を対象とするgosuranemab (BIIB092)の臨床第II相PASSPORT試験のトップライン結果を発表しました。52週でのPSP評価スケールによって評価される主要評価項目は、統計学的な有意差を示しませんでした。また本試験は、臨床上の主要な副次的評価項目でも有効性を示しませんでした。PASSPORT試験における安全性の結果は、これまでに得られているgosuranemabの試験結果と概ね一貫していました。これらの結果から、バイオジェンはPSPおよびタウオパチーを主な病理とする他の疾患を対象とするアルツハイマー病以外のgosuranemabの開発を中止しました。
  • 2019年12月、バイオジェンはカリフォルニア州サンディエゴで開催されたアルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)年次学術集会で、アデュカヌマブの臨床第III相EMERGE試験およびENGAGE試験のトップラインデータを発表しました。
  • 2019年12月、バイオジェンは、形質細胞様樹状細胞に発現した血液樹状細胞抗原2(BDCA2)を標的とする完全ヒト化IgG1モノクローナル抗体、BIIB059について、エリテマトーデスの患者さんを対象に、有効性と安全性を評価した臨床第II相LILAC試験のポジティブなトップライン結果を発表しました。LILAC試験はプラセボを対照にBIIB059を評価した試験で、全身症状の有無にかかわらず慢性および亜急性のサブタイプを含む疾患活動性皮膚エリテマトーデス(CLE)の患者さんを対象としたパートと、関節および皮膚に活発な症状発現のある全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんを対象とした2つのパートからなる試験でした。本試験のCLEパート、SLEパートともに主要評価項目を達成しました。BIIB059の安全性および忍容性のプロファイルは開発の継続を支持しており、バイオジェンはBIIB059の開発を臨床第III相に進める予定です。
  • 2019年11月、バイオジェンはイタリアで開催された欧州シャルコー基金第27回年次学術集会で、VUMERITY (フマル酸ジロキシメル)の臨床第III相EVOLVE-MS-2試験の詳細な結果を発表しました。VUMERITYは特徴的な化学構造を有する新規の経口フマル酸製剤で、EVOLVE-MS-2試験の結果は、テクフィデラ(フマル酸ジメチル)と比べて、患者さんの評価による消化管(GI)忍容性において改善を示しました。
  • 2019年11月、バイオジェンはコロイデレミア(CHM)の治療薬候補として、BIIB111の遺伝子治療を評価する国際共同臨床第III相STAR試験への患者組み入れを完了しました。 CHMは希少な、失明につながる遺伝性X連鎖網膜変性疾患で、現在のところ承認された治療は存在しません。
  • 2019年10月、米国食品医薬品局は、単一の臨床症状、再発寛解型、および疾患活動性二次進行型を含む、再発型MSの治療薬としてVUMERITYを承認しました。
  • 2019年10月、バイオジェンは臨床第III相EMERGE試験およびENGAGE試験のより大規模なデータセットの新たな解析に基づいて、アルツハイマー病に対するアデュカヌマブの承認申請を行う計画であることを発表しました。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、運動障害、神経筋障害、急性神経疾患、神経認知障害、疼痛、眼疾患といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体Twitter , LinkedIn , Facebook , YouTube をご覧ください。

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