- PF-05251749は、様々な精神疾患および神経疾患による行動症状および神経症状に効果を示す可能性のある、中枢神経系透過性概日リズム調節薬
- バイオジェンはファイザー社に7,500万ドルの一時金と、最大6億3,500万ドルに達する可能性のあるマイルストーン、およびロイヤリティを支払い
- PF-05251749は、バイオジェンのアルツハイマー病およびパーキンソン病の疾患修飾薬候補のパイプラインを補完
マサチューセッツ州ケンブリッジ-2020年1月13日-バイオジェン(Nasdaq 略称BIIB)は、ファイザー社(NYSE 略称PFE)と契約を締結し、様々な精神疾患および神経疾患による行動症状および神経症状を有する患者の治療薬候補として、新規の中枢神経系透過性低分子カゼインキナーゼ1(CK1)阻害薬PF-05251749を獲得することを発表しました。バイオジェンは臨床第I相にあるPF-05251749について、特にアルツハイマー病(以下、AD)の夕暮れ症候群、およびパーキンソン病(以下、PD)の不規則睡眠・覚醒リズム障害(ISWRD)の治療薬として開発する予定です。本契約は、7,500万ドルの一時金、最大で6億3,500万ドルに達する可能性のある開発と製品化のマイルストーンに伴う支払い、および1桁台後半から10パーセント台前半の段階的なロイヤリティの支払いを含みます。
バイオジェンの研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデント&チーフ・メディカル・オフィサーのアルフレッド・サンドロックJr., M.D., Ph.Dは、次のように述べています。「PF-05251749は、当社のアルツハイマー病およびパーキンソン病の疾患修飾薬候補の既存のパイプラインを強固に補完するものです。アルツハイマー病およびパーキンソン病の患者さんの多くは、重篤な睡眠障害や興奮症状に苦しんでおられます。私たちは、概日リズムの調節がこれらの困難な行動症状および神経症状に効果を示す可能性があると期待しています」。
CK1は24時間周期の概日リズムをコントロールし、ほぼ全ての生命体の生理機能と代謝に影響する「中枢時計」である視床下部の視交叉上核の調節に主要な役割を果たします。概日リズムの混乱は、ADおよびPDの主な症状を含む様々な精神疾患および神経疾患に関連しています。
夕暮れ症候群はAD患者の20%以上に現れる症状で、患者さんは夕方近くになると、混乱、不安、攻撃性、興奮、落ち着きのなさを示します。ISWRDは概日リズムの障害で、患者さんは夜間の睡眠が断片的になり、それにより日中に眠気や重い倦怠感を訴え、日常生活動作が困難になります。これはPDの非運動症状の1つで、罹病期間が経過し障害が進行するに従い、通常は頻度が増加します。バイオジェンは、PF-05251749について、概日リズムを修正することでADの夕暮れ症候群による行動の混乱を改善する可能性、および日中の覚醒状態、睡眠の質、行動および日常機能を改善することでISWRDの症状を改善する可能性を検討します。
PF-05251749は、既に臨床第Ia相試験で容認可能な安全性プロファイルと作用機序の実証を示しました。バイオジェンは2020年第4四半期に臨床第1b相試験を開始することを目指しています。
今回の取引は、法的には資産の買い取りと構成されることとなるため、1976年の合衆国ハート・スコット・ロディノ反トラスト強化法に基づく待機期間の満了を含む、慣習的な取引完了条件を満たしていくことになります。
バイオジェンは、2020年第1四半期に今回の取引の完了を予定しています。
バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者に提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、運動障害、神経筋障害、急性神経疾患、神経認知障害、疼痛、眼疾患といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。