- 第III相試験準備中のプログラムを取得し進行中の脳卒中領域における新薬開発をより強固なものに
- バイオジェンは1億2000万ドルの一時金とともに進捗によりマイルストーンとロイヤルティを追加支払い
マサチューセッツ州ケンブリッジ – 2017年5月15日 – バイオジェン(NASDAQ略称:BIIB)は、本日、Remedy Pharmaceuticals社の第III相試験候補薬であるCIRARA™(グリブリド静注)の取得を完了したことを発表しました。CIRARAの予定適応症は、重篤な虚血性脳卒中である大脳半球梗塞(LHI)です。LHIでは、脳の腫脹(脳浮腫)が、しばしば異常に高い脳卒中に関連した罹患率および死亡率をもたらします。米食品医薬品局(FDA)は、最近、CIRARAを急性虚血性脳卒中における重篤な脳浮腫を対象としたオーファンドラッグに指定しました。FDAはCIRARAを迅速審査対象にも指定しています。
米国、欧州および日本における虚血性脳卒中の年間罹患率はおよそ170万人であり、その約15%がLHIです。前臨床試験では、CIRARAが脳卒中に関連した脳腫脹の誘因であるSUR1-TRPM4チャネルを遮断することが示されています。また、概念実証 (proof of concept) 臨床試験では、CIRARAがLHIにおける脳腫脹、身体障害および死亡リスクを低下させる可能性が示されています。
バイオジェンの研究開発担当部門エグゼクティブ・バイスプレジデントのマイク・エーラーズ(M.D., Ph.D)は、次のように述べています。「当社の多発性硬化症、脊髄性筋萎縮症(SMA)、アルツハイマー病におけるリーダーとしての地位を土台とし、私たちは脳卒中において、当社の優れた神経科学での専門知識を活用して患者さんのケアを大きく改善できる絶好のチャンスを得ました。CIRARAは脳卒中治療における大きな進歩の可能性を有し、神経疾患の新薬ポートフォリオの構築という当社の努力を加速するものです。CIRARAの可能性を裏付けるデータは有望なものであり、CIRARAはファースト・イン・クラスの治療薬となり得ます。この分野ではこれまで有効な治療薬がほとんど存在しませんでしたが、CIRARAは、患者さんの治療効果を有意義に改善する可能性を医師にもたらします」。
今回の取得は、バイオジェンの急性虚血性脳卒中に対するベスト・イン・クラス治療薬のポートフォリオを構築するための幅広い取組みを補完するとともに、神経科学におけるリーダーシップをさらに強化するものです。バイオジェンは、現在、モノクローナル抗体であるナタリズマブが、急性虚血性脳卒中の卒中後炎症を抑制することにより、機能アウトカム改善に有用であるかを検証するための第IIb相試験を実施中です。それが検証された場合には、ナタリズマブとCIRARAはそれぞれ異なった脳卒中の治療における新しいアプローチを提供することになります。
バイオジェンはCIRARAの開発と市販化を続けていく計画です。今回の契約の条件下では、Remedy Pharmaceuticals社が、LHI 脳卒中においてCIRARAの予定する適応症の開発費用を分担します。バイオジェンはRemedy Pharmaceuticals社に対する一時金として1億2000万ドルを支払います。また、マイルストーンとロイヤルティも追加で支払う可能性があります。
Remedy Pharmaceuticals社について
Remedy Pharmaceuticals社は非上場の臨床段階医薬品企業であり、急性中枢神経系(CNS)疾患と外傷の患者さんのための救命医薬品の開発・製品化に特化しています。
バイオジェンについて
最先端の科学と医学を通じて、バイオジェンは重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年に設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業のパイオニアであり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました(国内未承認)。また、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。当社に関する情報については、https://www.biogen.com およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。