本資料は、米バイオジェン社が 2021年12月17日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

アデュカヌマブのEU規制当局への申請に関する状況について

  • バイオジェンは、CHMPによるアデュカヌマブに対する否定的見解を受けて再審議の請求へ

2021年12月17日– バイオジェン・インク(Nasdaq: BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、このたび、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use: CHMP)がアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害および軽度ADとして知られる早期段階のADの治療薬候補であるアデュカヌマブの販売承認申請(MAA)について、否定的見解を採択したことをお知らせします。本見解は、2021年11月のCHMPによる否定的なTrend Voteを受けたものです。バイオジェンは、今回のCHMPによる見解に対して再審議の請求を行う予定です。

バイオジェンのHead of Global Safety & Regulatory Sciences and interim Head of Research & DevelopmentであるPriya Singhal M.D., M.P.H.は、「欧州におけるAD当事者の方々にとって、その早期段階における治療選択肢がないことは切実な問題です。時間が経つほど、より多くの当事者様の病状は進行し、治療の機会を逃す可能性が高くなります。バイオジェンは、この薬剤をEUの当事者様にお届けすることをめざし、再審議プロセスにおいて、今回のCHMPによる見解の根拠に対処するように努めます。欧州の当事者の方々にも、ADの革新的な治療法をお届けすべきと考えています」と述べています。

欧州委員会の規則では、申請者はCHMPの見解に対する再審議を請求することが認められており、詳細な請求根拠を説明する文書を提出します。1CHMPは、再審議の請求の根拠資料を受領してから60日以内に、その見解を再検討します。2

今回のMAAは、20カ国以上における約3,600人の当事者様を対象とした、複数の試験からなる国際共同臨床開発プログラムによる有効性、安全性およびバイオマーカーのデータに基づくものです。

2021年6月、米国食品医薬品局(FDA)は、脳内アミロイドβプラークを減少させることにより、疾患の根本病理に作用する最初のAD治療薬として、ADUHELM®(aducanumab-avwa)注射100 mg/mL溶液を迅速承認しました。ADUHELMはアラブ首長国連邦(UAE)でも承認されています。

参考文献
  1. EC guideline: REGULATION (EC) No 726/2004 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 31 March 2004
    (https://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2004:136:0001:0033:en:PDF)
  2. European Medicines Agency, Procedural Advice on the Re-Examination of CHMP Opinions, 2009.
    https://www.ema.europa.eu/en/documents/regulatory-procedural-guideline/procedural-advice-re-examination-chmp-opinions_en.pdf

参考資料

ADUHELM®(一般名:アデュカヌマブ)注射100 mg/mL溶液について
ADUHELMの適応症は、アルツハイマー病の治療です。ADUHELMによる治療は、臨床試験において治療開始の対象としたアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症の患者様において開始される必要があります。これらの病期よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性に関するデータはありません。本適応症は、ADUHELMの治療により観察されたアミロイドβプラークの減少に基づき、迅速承認の下で承認されています。本迅速承認の要件として、今後検証試験による臨床的有用性の確認が必要となります。
ADUHELMは、アミロイドβに対するモノクローナル抗体です。脳内のアミロイドβプラークの蓄積は、アルツハイマー病の明確な病態生理学的特徴です。ADUHELMの迅速承認は、臨床的有用性、この場合は臨床症状の悪化抑制をもたらす可能性が合理的に高い代理バイオマーカーであるアミロイドβプラークの減少に対するADUHELMの効果を示す臨床試験のデータに基づいて付与されました。
ADUHELMは、次のような重篤な副作用を引き起こす可能性があります。アミロイド関連画像異常(ARIA)は、多くは症状を引き起こさない一般的な副作用ですが、重篤になる場合があります。ほとんどの場合症状はありませんが、頭痛、錯乱、めまい、視力の変化、吐き気などの症状が現れる人もいます。医療提供者は、患者様に対してADUHELMによる治療前と治療中に磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを行い、ARIAをチェックします。ADUHELMは、次のような深刻なアレルギー反応を引き起こす可能性があります。ADUHELMの最も一般的な副作用には、脳内または脳の表面の微小出血を伴うまたは伴わない脳内の浮腫(ARIA)、頭痛と転倒があります。患者様は、副作用に関する医学的アドバイスをもらうように医療提供者に相談する必要があります。2017年10月より、バイオジェンとエーザイは全世界的にアデュカヌマブの開発ならびに製品化を共同で実施しています。

ADUHELMの添付文書投薬ガイドはこちらから入手できます。

アルツハイマー病(AD)について
ADは進行性の神経学的状態であり、思考、記憶、および自立性を損ない、早死に至ります。この病気は世界的な健康危機の拡大であり、この病気とともに生きる人々とその家族に影響を及ぼしています。世界保健機関(WHO)によると、世界中で3千万人以上がADに罹患しており、その数は今後数年で増加し、ADの管理に必要な医療リソースを上回り、数十億ドルの費用がかかります。
ADは、患者様が病気の症状を示す約20年前に始まる、有毒なアミロイドβプラークの異常な蓄積を含む脳の変化を特徴としています。ADによる軽度認知障害は、症状がより目立ち始め、検出および診断できる病気の最も早い症候性段階の1つです。
ADの詳細については、www.ItsTimeWeKnow.comをご覧ください。

バイオジェン・インクについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。
2020年、バイオジェンは、気候、健康、公平さが深く相互に関連する課題に対して、20年間に2億5000万ドルを投資する大規模な取組みを開始しました。Healthy Climate, Healthy Lives™は、ビジネス全体で化石燃料の使用をゼロにし、著名な研究機関とのコラボレーションを構築して科学研究を進展させ、人類の健康を改善し、発展途上のコミュニティをサポートすることを目的としています。
バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、www.biogen.com/ およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、本社を日本に置くグローバル製薬企業です。当事者とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)・コンセプト」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
エーザイは、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療剤「アリセプト®」の開発・販売から得た経験を活かし、エーザイ認知症プラットフォームの確立を企図し、医療機関、診断薬開発企業、研究機関やバイオベンチャーに加え、民間保険、金融、フィットネスクラブ、自動車メーカー、小売業、介護施設などと連携して、新たな便益をお届けする「認知症エコシステム」の構築をめざしています。エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。

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