本資料は、米バイオジェン社が 2020年8月7日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

アデュカヌマブ、アルツハイマー病治療薬としてのBLA申請が米国FDAに受理され、優先審査に指定

  • 優先審査指定により審査期間が短縮され、PDUFAアクションデートは2021年3月7日に設定
  • 承認されれば、アデュカヌマブはアルツハイマー病の進行に本源的な変化をもたらす可能性を持つ、初めての治療薬となる

2020年8月7日 – バイオジェン(Nasdaq: BIIB、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)とエーザイ株式会社(代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、本日、アルツハイマー病(AD)治療薬候補であるアデュカヌマブについて、バイオジェンによるBiologics License Application(BLA:生物製剤ライセンス申請)が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことをお知らせします。本申請は、優先審査(Priority Review)の指定を受け、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は2021年3月7日に定められましたが、FDAは、迅速審査のもと、可能であれば本申請について、早期に審査を完了する予定であると述べています。承認された場合、アデュカヌマブはADの臨床症状の悪化を抑制する初めての治療法となり、かつ脳内アミロイドベータ(Aβ)の除去が臨床結果の改善をもたらすことを初めて実証した薬剤となります。

バイオジェンのCEOであるミシェル・ヴォナッソスは「アデュカヌマブのBLA申請がFDAによって優先審査の対象として受理されたことは、ADの進行に本源的な変化をもたらす可能性のある治療薬の実現に向けた重要な一歩です。我々は今後の審査プロセスにおいてFDAに積極的に協力してまいります。アデュカヌマブの臨床試験に参加し、治療薬の実現に向けて共に取り組んでいただいた数千人にのぼる臨床医、AD当事者、介護者の皆様に感謝を申し上げます。我々は、アデュカヌマブがAD治療薬の新たな時代を切り開き、AD当事者の皆様にさらなる希望をもたらす将来の研究やイノベーションにつながるものと信じています」と述べています。

エーザイのCEOである内藤晴夫は「AD当事者の皆様とご家族がAD治療薬に期待することは、ADの病態の進行を遅らせ、できるだけ長く自立した生活を維持することです。アデュカヌマブが承認されれば、AD当事者の皆様の日常生活に大きな改善をもたらすことが期待されます。この歴史的なマイルストン達成が、AD治療にパラダイムシフトをもたらし、高齢化社会における公衆衛生上の課題に取り組んでいく第一歩となることを確信しています」と述べています。

今回のアデュカヌマブのBLA申請に際して、バイオジェンは優先審査要請バウチャーを使用していません。FDAは、現時点で本申請に対する諮問委員会の開催を計画していますが、日程については確定していません。

Yale大学 Alzheimer’s Disease Research CenterのChristopher van Dyck先生は「このたびのアデュカヌマブの申請受理はAD当事者とご家族の皆様にとって大きな意義があると考えられ、我々は大変勇気づけられます。アデュカヌマブがADの根本病理に作用し、日常生活の維持や臨床症状悪化抑制に有効であると認められた場合、この薬剤を最も必要とする人々に有意義なベネフィットをもたらすことになるでしょう」と述べています。

アデュカヌマブについて
アデュカヌマブ(開発コード:BIIB037)はADの治療薬候補として開発されたモノクローナル抗体です。軽度認知障害および軽度のAD患者様の臨床試験データに基づき、アデュカヌマブは、疾患の原因となる病態生理に作用し、認知機能の低下(悪化)を抑制し、金銭管理、家事(掃除、買い物、洗濯など)や単独での外出などの日常生活動作におけるベネフィットが得られると期待されます。承認された場合、アデュカヌマブは、AD当事者の疾患の経過に本源的な変化をもたらす初めての治療薬となります。
アデュカヌマブは、共同開発ライセンス契約に基づきNeurimmune社から導入されました。2017年10月より、バイオジェンとエーザイは全世界的にアデュカヌマブの開発ならびに製品化を共同で実施しています。
EMERGE試験、ENGAGE試験は、アデュカヌマブの有効性と安全性を評価する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、臨床第Ⅲ相試験です。試験の主要評価項目は、CDR-SBのスコアの変化によって測定される認知機能および機能障害の低下抑制における、プラセボと比較したアデュカヌマブ月1回投与の有効性を評価することです。副次評価項目は、MMSE、ADAS-Cog 13およびADCS-ADL-MCIによって測定される臨床症状悪化の抑制における、プラセボと比較したアデュカヌマブ月1回投与の有効性を評価することでした。

アルツハイマー病について
アルツハイマー病は、思考、記憶および自立の機能が損なわれ、早期の死亡につながる進行性の神経疾患です。現在、この病気は進行の抑制、遅延、予防ができず、グローバルヘルス問題として拡大しており、当事者とそのご家族に影響を与えています。世界保健機関(WHO)の報告から、世界中で数千万人のAD当事者がいると推定されています。今後も、AD当事者数は増加するとともに、必要なヘルスケア関連のコストはより速いペースで増加し、その負担に巨費を要することが想定されます。
ADは、毒性種であるAβプラークの異常な蓄積を含む脳の変化を特徴とし、その蓄積は症状が現れる約20年前から始まります。ADによる軽度認知障害(MCI)は発見および診断が可能となる症状が現れる最も早期の段階です。現在の研究においては、ADの進行抑制、遅延をもたらすために、可能な限り早期に患者様を診断し治療することに焦点が当てられています。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

エーザイ株式会社について
エーザイ株式会社は、本社を日本に置くグローバル製薬企業です。当事者とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)・コンセプト」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

エーザイは、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療剤「アリセプト®」の開発・販売から得た経験を活かし、エーザイ認知症プラットフォームの確立を企図し、医療機関、診断薬開発企業、研究機関やバイオベンチャーに加え、民間保険、金融、フィットネスクラブ、自動車メーカー、小売業、介護施設などと連携して、新たな便益をお届けする「認知症エコシステム」の構築をめざしています。エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。

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